6月2日から4日まで、東京ファッションタウンビルで開催されている内田洋行が企画・運営を行う学校教職員や教育関係者向けセミナー「NEW EDUCATION EXPO 2022」。本稿では、同展示会内に出展していた文部科学省の「マナパス」と厚生労働省の「人への投資促進コース」について紹介する。

マナパスは「社会人の大学での学びを応援するサイト」として、2020年に文部科学省が開設したもの。

同サイトは、会員の登録を行わなくても誰でも気軽に利用することができ、学びたい地域や学びたい学校の種類(大学・短大・専門学校など)、金額など細かな設定が可能になっている。

  • マナパス

マナパスの開発を担当した丸善雄松堂の事業企画推進室主任の林泰斗氏は「コロナ禍で大学の講義がオンライン化した影響によって、遠隔地からも参加しやすくなりました。今後は、より若い世代にも多く浸透させられたらと思っています。」と今後の展望について語っていた。

また、同ブースでは、2022年4月1日に創設されたばかりの「人への投資促進コース」についても紹介していた。

この「人への投資促進コース」とは、厚生労働省が運営するデジタル分野などの社員教育に人材開発支援助成金を活用できる訓練コース。企業内で人材育成に取り組む事業主を対象としたプログラムで、IT未経験者も利用可能の「情報技術分野(IT分野)認定実習併用職業訓練」や高レベルのデジタル人材の育成を行いたいというニーズに応えるための「高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練」などが設置されている。

  • 人材開発助成金の概要

現在、「マナパス」や「人への投資促進コース」のように、学校教育からいったん離れたあとも、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくことが重要視されているという。

このための社会人の学びは「リカレント教育」と呼ばれ、日本では、厚生労働省・経済産業省・文部科学省などが連携して、学び直しのきっかけともなるキャリア相談や学びにかかる費用の支援などに取り組んでいるのことだ。

リカレント教育に乗り出す日本。「社会人からの学び」がもっと広まる世界が来る日も遠くないかもしれない。