NECファシリティーズは5月16日、快適な室内環境を実現しながら建物の消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指したZEB(Net Zero Energy Building)を特別養護老人ホームの建て替えで実施したと発表した。
ZEBへの建て替えを行ったのは、社会福祉法人杏風会の特別養護老人ホーム白寿園で、2022年4月末に引き渡しが完了している。同ホームは、経済産業省資源エネルギー庁が定義するZEBシリーズ4分類のうち、「ZEB Ready」に該当する建築となる。
NECファシリティーズは今回、BEMS(Building and Energy Management System)、太陽熱温水システム、潜熱回収ボイラー、高効率空調機、全熱交換器、調光・人感センサーおよびタイマー制御LED照明、Low-E複層ガラス、壁・天井・基礎下ウレタン断熱に加え、災害からのレジリエンス強化という点で、災害非常用自家発電機、太陽光発電、蓄電池の導入を提案した。このほか、省エネ性と利用者への快適な空間提供のため、同ホームに設置されていた地中熱利用換気空調システムを再利用した。各種省エネ・創エネ設備の企画提案の結果、設計上の建物の消費エネルギーを67%削減したという。
同プロジェクトにおいて同社は、建築物のZEB認証取得、経済産業省の補助金「レジリエンス強化型ZEB支援事業」の採択に際する申請業務も代行した。
同社はカーボンニュートラルやBCP(Business Continuity Plan)の観点を採り入れ、ワンストップで建築物の省エネ・創エネを実現するZEBソリューションを2019年から提供している。今後は同ソリューションを含めたカーボンニュートラル関連事業において、2025年までに年間50億円の売り上げを目指す。