技術商社のリンクスは、同社が2017年から取り扱うSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)を軸としたIoTプラットフォーム「zenon」を用いた、DI(Data Integrity)対応について5月13日に記者説明会を開催した。
喫緊の課題になりつつあるDIへの対応
DIは、データに誤記、改ざんがないことを証明し、されても発見しやすいシステムを構築することを通じて、製造記録や品質試験記録の信頼性を保証することを指す。
近年、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)や欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)をはじめとした規制当局は、DIに焦点をおいた査察を強化している。例えば、FDAが発行するワーニングレター(警告書)の8割近くがDIに関連することだという調査もあるという。
DIの基本原則としては「ALCOA+」の要素を満たす必要があると言われている。
ALCOA+とは、Attributable(帰属性:データの所有者・帰属・責任が明確であること)、Legible(判読性:データが判読でき、理解できること)、Contemporaneous(同時性:データの生成と記録が同時であること)、Original(原本性:データが原本であること・複製や転記ではないこと)、Accurate(正確性:データが正確であること)に加えて、+(complete、consistent、enduring、availableなど)といった項目だ。
これらの要素をすべて満たそうとすると、紙での管理では、現場の作業員に大きな負担となる。
リンクス 代表取締役の村上慶氏は「この状況は逆にチャンスで、DIの延長線上にDX(デジタルトランスフォーメーション)があり、DXを見越したDI対応を電子システムで正しく実装すれば、DXに向けた貴重な変化の機会になる」という。