採用された電流センサおよびESUは電力マネジメント製品という位置づけで、電流センサはBEVに求められる±1200Aの大電流に対応しつつ、従来製品で搭載していたICの刷新と、製品体積が増える要因である磁器コアを用いずに電流を検知できる磁気コアレス方式を採用することで、検知制度を向上させつつ、体積を従来品比40%削減を実現したという。
一方のESUは、バッテリーへの充電を監視する充電統合ECUや、AC充電器・DC-DCコンバータなどBEVに欠かせない製品群をワンユニット化したもの。豊田自動織機が開発した充電器・DC-DCコンバータ一体ユニットを搭載するなどにより、小型・軽量化を実現したことで、搭載可能なバッテリーの容量を増やすことができるようになったため、航続距離の延長や、居住空間の拡張を図ることができるようになったという。
また、熱マネジメントは、電気リッチになってくるBEVでは重要なファクターとなることから、高効率なエコヒートポンプシステムを実現。プリウスなどにも採用されている技術を進化させることで、走行中の除霜機能を実現し、着霜環境下での電費性能の改善をはかったほか、緻密なサイクル制御と多機能弁(MCV-e)の活用により、シンプルな構成のレシーバサイクル化に成功。冷房性能の向上と、部品点数の削減を実現したとする。さらに、高性能な小型チラーにより電池冷却性能を向上させたことで、バッテリー寿命の向上を実現したともする。
一方の輻射ヒーターについても、ヒートポンプシステムとの併用で、車室内で必要とされる空調エネルギーの低減を実現。また、薄膜フィルム構造の採用により、100℃以上の高温輻射と接触直後に50℃以下に低減する安全機能の両立も実現したほか、人体の接触を感知して発熱を止めるセンサをフィルムに内蔵することで、長時間の接触時においても安全性を確保したという。