オートデスクは、「AutoCAD 2023」「AutoCAD Plus 2023」の発売を開始したことを3月31日に発表した。
AutoCAD 2023とAutoCAD Plus 2023では、浮動図面ウィンドウでコマンドラインを使いたいという多くの要望に応え、コマンドラインをどのアクティブな浮動図面ウィンドウでも表示されるように改善したという。
また、トレースを強化し、AutoCAD Web アプリやモバイルアプリだけでなくデスクトップでもトレースを作成することができ、さらに、他の人が作成したトレースに加筆できるようにもなった。既存の図面に変更を加えることなく、図面に直接、設計変更のコメントやマークアップを安全に追加することも可能だとしている。
カウント機能も強化し、クライアントによって選択された領域内などのオブジェクト集計をさらに自動化でき、カウントツールバーに追加された機能により、カウントオブジェクトの選択、矢印による前後のカウントオブジェクトへの移動、カウントフィールドを表やテキストに直接挿入などができるようになったという。
AutoCAD 2023ではグラフィックスが強化され、シェード、シェードとエッジ、ワイヤフレームのビジュアルスタイル利用時の3Dオブジェクトレンダリングを最大で10倍高速化したとしている。
また、「Web用シートセットマネージャ」が搭載され、Autodesk Docsからより速やかにシートセットを開くことができるようになった。オートデスク クラウドプラットフォームを利用することで、より速やかかつ安全にチームのメンバー間でAutodesk Docs経由でシートセットを送受信することが可能という。
電気、機械、建築、配管、プラント設計など 7 種類の業種別ツールセットを含むAutoCAD Plusは、2023バージョンから新たに、オートデスク クラウドプラットフォームのデータへの接続やデータの取り込み、スプレッドシートからのデータの読み込みおよび編集、ファイルフィルターによる速やかなプロジェクトの検索、プロジェクトの反復などが可能となっている。
そのほか、AutoCAD 2023とAutoCAD Plus 2023の主な新機能は以下のとおり。
「マークアップ読み込み」および「マークアップアシスト」機能によりフィードバックを入力する時間を短縮(AutoCAD Plus 2023 のみに追加)
「マークアップ読み込み」および「マークアップアシスト」機能は、フィードバックを速やかに送信し、設計に組み入れることができる新機能。「マークアップ読み込み」では、印刷物やPDFによる現場からのフィードバックをAutoCADのトレースとして読み込むことができる。
AutoCADでマークアップを検出し、オブジェクトに変換、さらに「マークアップアシスト」で、図面にテキストやオブジェクトをクリックで自動的に追加できる。「マークアップ読み込み」と「マークアップアシスト」により、コラボレーションや改訂がシンプルになるとしている。
AutoCAD WebアプリのLISP APIでどこからでもワークフローをカスタマイズ・自動化(AutoCAD Plusのサブスクリプションユーザーのみ利用可能)
AutoCAD WebアプリのLISPを利用することで、外出先や職場など、働く場所を問わず、繰り返し作業を自動化し、独自にカスタマイズすることが可能。LISPファイルを起動して管理し、デスクトップのAutoCADと同じようにLISPコマンドを入力できるため、時間を短縮し、より速やかに設計を完了できるとしている。
「自分のインサイトのマクロアドバイザ」が生産性向上のために厳選されたヒントを提供(AutoCAD Plus 2023のみに追加)
「自分のインサイト」は、作業をより迅速に進められるよう、機械学習アルゴリズムを利用して厳選されたインサイトを提供するアドバイザリーエンジン。
繰り返しの多い作業を自動化するマクロのおすすめを作業中に提示する。スタートタブのダッシュボードでパーソナライズされた使用例を閲覧できるほか、作業中にスクリーン下部に通知として使えそうなマクロを表示する。「おすすめマクロ」をクリックすると、新機能である「コマンドマクロパレット」が開き、マクロの詳細を確認したり、保存したり、必要に応じて変更することが可能だとしている。
なお、3月31日より最新版をダウンロードして新機能を利用することができ、AutoCAD Plus 2023とAutoCAD 2023の30日間無償体験版もダウンロード可能で、4月7日に開催するウェビナーで、製品の紹介とライブデモを実施する予定とのことだ。