Microsoft Excelを使いこなす上で、避けて通れないのが関数だ。Excelで使える関数は400を超えており、正直なところ、すべてを覚えておくことは難しい。そこで本稿では、最低限知っておきたいExcelの関数を7つ紹介しよう。

関数を紹介する前に、Excelで関数を入力する方法を整理しておこう。シートの上部のfxをクリックする、もしくは、[数式]タブをクリックすると表示されるメニューの「fx(関数の追加)」をクリックすると関数を入力する画面が出てくる。ここで使いたい関数を選択する。数式は上部のボックスに表示される。

  • 関数を選択する画面

また、一部の関数は[数式]タブを選択すると表示される[オートSUM]からも実行できる。

SUM:数値を合計する

Excelを用いて表を作成する場合、最もよく使う関数がSUMだろう。SUMは数値を合計するための関数だ。SUMはセルの範囲を選択して足し算が行える。

例えば、合計値を入れたいセル上で、[オートSUM]をクリックして、[合計]を選ぶと、足し算をするセルの範囲の候補が表示される。その候補で問題がない場合、確定すると合算した値が表示される。

  • オートSUMから[合計]を選ぶと、足し算をするセルの範囲の候補が表示される

AVERAGE:平均値を出す

複数の数値の平均値を出す関数はAVERAGEだ。SUMと同様に、平均値を求めたいセルの範囲を指定すると、その平均値を計算してくれる。引数には、数値、数値を含む名前、配列、セル参照を指定できる。

AVERAGEもSUMと同様、[オートSUM]の選択肢に含まれており、参照するセルの候補を自動で表示してくれる。

MINとMAX:最小値と最高値を出す

セルの範囲を指定して最小値を見つける関数がMINで、セルの範囲を指定して最大値を見つける関数がMAXだ。この2つの関数も、SUMと同様、[オートSUM]の選択肢に含まれており、参照するセルの候補を自動で表示してくれる。

MEDIAN:中間値を見つける

複数の数値から中間値を見つける関数がMEDIANだ。引数を指定すると、そこに含まれる数値の中央値を返す。[関数の挿入]から関数名を選ぶ際、なかなか見つけられない場合は、関数の頭文字を押すと、そのアルファベットの一番上の関数までカーソルが動くので便利だ。

COUNT: 数値が含まれるセルの個数を見つける{#ID5}

指定した範囲の中で数値が含まれるセルの個数を見つける関数がCOUNTだ。数値データだけがカウントされる。

PRODUCT:掛け算をする

数字を掛け合わせた値を求めたい場合に用いる関数がPRODUCTだ。セルのA2とA3を掛け合わせるときは、「=PRODUCT(A2,A3)」と入力すればよい。なお、2つの値の乗算であれば、「=A2 * A3」という式でも同じ値を求めることができる。

PRODUCTは複数のセルを乗算する場合に便利であり、例えば、「=A1 * A2 * A3 * B1 * B2 * * C3」という計算を、「=PRODUCT(A1:A3, B1:B3)」 と指定して実行することができる。

TRIM:空白を削除する

テキストデータやWordのデータなど、Excel以外のデータを読み込んだ時に、余分な空白が含まれていて、削除に手間取ったことはないだろうか。そんな時に使える関数がTRIMだ。TRIMは、各単語間のスペースは1つ残し、不要な空白を削除してくれる。

下図の場合、単語の前に空白が入っているので、この空白を削除してみたい。右側の列に空白を削除した文字列を表示する。まず、「米国カリフォルニア州」の隣のセルC2でTRIMを呼び出し、空白を削除したい文字列が入力されているB2を指定する。すると、C2に空白が削除された文字列が表示される。

  • それぞれ単語の前に空白がある

  • TRIMの引数に文字列の空白を削除したい文字列が入力されているB2を指定する

  • TRIMで指定したB2の文字列の空白が削除されてC2に表示された

続いて、C2のセルの右下にカーソルを合わせ、十字に変わった状態で、下に向かってドラッグすると、他の文字列の空白も削除される。これが、TRIMの最も基本的な使い方となる。

  • TRIMの式をコピーすることで、他の文字列の空白も削除された

LENとLENB:文字列内の文字数を数える

文字列内の文字数を数えたい時に使う関数がLENとLENBだ。LENは全角文字も半角文字も1として数え、LENBは全角文字は2バイト、半角文字は1バイトととして数える。

全角文字と半角文字が混ざった以下の図を例に、LENとLENBの違いを見てみよう。B2の「いちご」の文字数をC2に入力する場合、「=LEN(B2)」という式を実行する。結果、3が表示される。C2の式をC7までコピーすると、B3からB7までの文字数も表示される。全角も半角も1と見なすので、「strawberry」も「strawberry」も文字数は同じだ。

同様に、LENBでも同じ作業を行い、D列に文字数を表示する。すると、全角文字は2バイトに換算されるので、LENによって算出した数値と異なる結果が表示される。

  • 全角文字と半角文字が混在している文字列の文字数をカウントしたため、LENとLENBの実行結果は異なっている