米Googleは3月23日(現地時間)、Google Playストアを利用するアプリのアプリ内課金で、アプリ開発者が外部の決済システムを提供できるようにする仕組みのパイロットテストを行うと発表した。開発パートナーとして、Spotifyが最初に導入する。
GoogleはGoogle Playでアプリを配信する開発会社に対して、アプリ内課金においてGoogleの決済システムを利用するように定めている。Googleが求める安全性やプライバシー保護を満たすためとしているが、同社の決済システムを利用するとアプリ開発会社は売り上げの15〜30%の手数料を課せられる。支配力を増すIT大手への逆風が強まる中、Googleの決済システムを強要される仕組みや手数料率に対するアプリ開発者の不満が噴出、反トラスト法(独占禁止法)違反の可能性も問われ始めていた。
そうした決済システムの選択を巡る議論を受けて、Googleは外部の決済システムのサポートに取り組み始めた。ただし、Googleが「安全な体験を提供する」と期待してGoogle Playを選ぶ利用者は多く、外部の決済システムと共に、引き続きGoogleの決済システムをユーザーが選択できるようにするべきと考えている。
Spotifyは、モバイルプラットフォームを運営するAppleやGoogleに対して公正な競争を強く求めてきた企業であり、有数のサブスクリプションサービスデベロッパーであることを含め、「最適な最初のパートナーである」とGoogleのSameer Samat氏(プロダクトマネージメント担当バイスプレジデント)。Spotifyによると、同社はGoogleと複数年の取り組みで合意した。今年後半にユーザー選択課金(User Choice Billing)の提供を開始する予定で、Google PlayストアからインストールしたSpotifyアプリでは、アプリ内での購読や購入の際にSpotifyの決済システムとGoogle Playの決済システムをユーザーが選択する画面が表示される。
Spotifyユーザーが外部の決済システムを選択した場合の手数料率は不明だ。GoogleはSpotifyのほか、少数のパートナーデベロッパーと共にパイロットプログラムを進めていく計画で、同プログラムを通じて「(Googleの)エコシステムへの投資能力を維持しながら、ユーザーに選択肢を提供する方法を模索する」としている。