データを収集しても利活用できなければ宝の持ち腐れだ。約4年前に分析部門を立ち上げ、データに基づいた意思決定文化を育んできたのが、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の運営で知られるZOZOである。12月9、10日に開催された「TECH+EXPO 2021Winter Forデータ活用~データが裏づける変革の礎」で、ZOZO分析本部 本部長 兼 計測事業本部 本部長の牧野洋平氏が、分析部門の立ち上げから成果を出すまでの取り組みについて語った。
あらゆる部門に分析を提供する独立した存在
新規機能やキャンペーンの効果見積もりから、実施後の効果検証まで、ZOZOではさまざまな業務においてデータ分析を重視している。そんな同社が分析専門の部門を立ち上げたのは、2017年7月のこと。約4年半を経た現在では、経営陣から「事業を進める上でなくてはならない存在」と言われるまでになった。その分析部門(分析本部)を率いるのが牧野氏だ。
ZOZOでは、人事や経営管理などと同等の独立した1つの部門として、分析部門を位置付けている。そのため、「特定分野だけではなく、社内のあらゆる部門に対して『データを使った意思決定』を支援する立場にある」と牧野氏は説明する。
分析部門は、各部署・部門に対して分析サービスを提供するビジネスアナリティクス部、部門軸でチームを分ける事業推進部の2つで構成されている。ビジネスアナリティクス部がデータサイエンス、データアナリティクス、マーケティングサイエンスなどといった機能軸での編成であるのに対し、事業推進部はマーケティング、ブランド営業などの担当部門を軸とした編成だ。メンバーは約25人で、95%以上が20~30代で構成されている。発足以降、データ基盤を導入し、データを整理するとともに BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを構築。また、機械学習や因果推論を用いた分析ができる人材も多数採用し、ノウハウを蓄積しているという。