1946年創業の化粧品メーカーであるコーセーは、2019年よりマーケティングDXの取り組みを本格的にスタート。社内組織のコラボレーションを強化していくことにより、DXは劇的に加速したという。12月9日~10日に開催された「TECH+ EXPO 2021 Winter for データ活用 データが裏づける変革の礎」で、同社 執行役員 研究所長 兼 先端技術研究室長(前 情報統括部 部長)小椋敦子氏、情報統括部 グループマネージャー 進藤広輔氏が、その取り組みの成果の1つであるオンラインカウンセリングサービスの事例を基に、真のDXを実現するための秘訣を紹介した。

  • 左から、コーセー 執行役員 研究所長 兼 先端技術研究室長 小椋敦子氏、情報統括部 グループマネージャー 進藤広輔氏

個別最適化されたシステムの共通プラットフォーム化を目指す

コーセーのマーケティングDXプロジェクトは、「グローバル企業として競争力のあるデジタル力をつけること」をゴールに置き、デジタルマーケティング部門とIT部門とがタッグを組むかたちで進められてきた。主要なテーマは、マーケティング業務のグローバルでの統一オペレーション化、顧客情報のマネジメント強化、デジタル運営体制の強化、ECビジネスの垂直水平展開だ。

同プロジェクト開始前の状況について小椋氏は「チャネルごと・店舗ごとにシステムが個別最適化されており、似たようなシステムやアプリが点在。同じお客さまでも、登録先のシステムが異なればIDが異なっている状態で、1顧客に対して複数IDが存在していた」と振り返る。

そこで、同プロジェクトでは、統合されたIDを顧客に付与し、顧客との接点がポイントtoポイントで一意的につなげることを目指した。システムとしては、全体最適となるようプラットフォーム化を進めていった。

  • DX導入前の姿と導入後に目指した方向性