NTT東日本とNTT西日本は1月20日、固定電話(PSTN)のIP網への移行後のサービスの最新情報を公表した。両社は2017年に固定電話のIP網への移行を発表しており、2024年1月に順次IP網へ移行する予定となっている。

両社は、固定電話の移行について、「基本的な音声サービスは継続提供しつつ、わかりやすい料金体系へ変更すること」を基本方針としており、加⼊電話・INSネットの契約も継続し、加入者回線も既存のメタルケーブルを継続利用するので、利用者側の工事は発生せず、利用中の電話機などもそのまま利用できる。

NTT東日本 経営企画部 営業企画部門 部門長 井上暁彦氏は、「契約はそのまま継続し、電話機もそのまま利用できる。お客様の移行手続きも不要。電話機交換など便乗商法に注意していただきたい」と、注意を呼び掛けた。

  • NTT東日本 経営企画部 営業企画部門 部門長 井上暁彦氏

切り替え後の基本料金や通話料についてはアナウンス済みだが、固定電話着の通話料が全国一律・全時間帯が3分当たり9.35円になるなど、移行後の通話料は大きく変わる。

  • IP網移行後の通話料

また、利用が減少しているサービス、提供が困難なサービスを2024年1月に終了することも既に公表されている。井上氏は、「INSネットは、デジタル通信モードのみ終了し、音声通話は使える点に注意いただきたい。2027年までをめどに、デジタル通信モードを補完するサービスを提供する予定」と説明した。

  • IP網移行に伴い、提供を終了するサービス

今回、通話料をシンプルな料金体系にすることに伴い、現状の通話料割引サービスはすべて提供を終了することが発表された。井上氏は、「新しい料金体系により、割引サービスがなくなっても料金負担が減るケースが多いと考えている。法人で料金が上がる可能性もあるが、その場合は、個別に対応したい」と述べた。

あわせて、マイライン・マイラインプラスを終了することも発表された。マイライン・マイラインプラスに登録している利用者のうち、特定の事業者のサービスを利用する法人ユーザーを除き、NTT東西の通話サービスを利用することになる(国際通話を含め「00XY」をダイヤルする事業者選択は引き続き利用可能)。

  • IP網移行のスケジュール