IC Insightsによると、2021年におけるPCやスマートフォン(スマホ)、自動車などといった電子システムの原価に占める搭載半導体デバイスの合計額は33.2%となり、過去最高を更新したという。

歴史的に、電子装置/システム市場の年平均成長率よりも半導体市場の方が平均年間成長率が高いが、その背景んは、電子システムで使用される半導体の価値または搭載比率(金額ベース)の増加がある。例えば2009年は、半導体市場そのものは前年比でマイナス成長となったが、電子システムの半導体搭載比率は増加した(こうした動きは2015年にも見られている)。

これまで電子システムへの半導体搭載率が過去最高を記録したのは2018年の31.1%であったが、2021年は半導体価格の上昇などもあり市場が急成長を遂げたことから、記録を更新することとなった。

長期的な視点で見ると、半導体搭載比率は年々上昇を続けてきている。ただし、電子システムにおける半導体の搭載比率の上昇には限界があり、IC Insightsではその上限を少なくとも40%程度と見ており、今後5年以内にそこに到達することはないとも見方を示している。

  • 電子システムにおける半導体搭載比率

    電子装置/システムに占める半導体搭載比率の変遷 (出所:IC Insights)