デンソーは、ミリ波レーダと画像センサを組み合わせることで車両の周辺環境を認識し、安全性能向上に貢献する「Global Safety Package 3(GSP3)」を開発したと1月14日に発表した。
「Global Safety Package(GSP)」は、ドライバーの運転を支援するシステムとして同社が開発し、今回発表した製品は、GSPの3世代目となる。
同社では、交通事故を無くすためには、安全製品をさらに進化させ最先端の技術を車両に搭載していくこと、また価格面でも魅力ある製品を開発し、より多くの車両に普及させることが重要だと考え、GDP3は予防安全・運転支援シーンの拡大と、小型・低コストの 両立をコンセプトに開発したという。
ミリ波レーダは、部品点数を従来品の半数以下とすることで小型化を実現。搭載性を向上させた。
また、アンテナ設計の改善、電波伝送の効率化を図ることで検知角度の距離を拡大。これにより出会頭事故の回避に貢献できるとした。
さらに、電波伝送の変調時間を増加させ、速度分解能を向上させることによって歩行者・自動車検出性能を高めることに成功したという。
画像センサに関しても、システム制御用マイコンで行っていた処理を画像処理SoCに統合することで、従来品比で小型化を実現。また、ディープラーニング(DL)により機械学習とそれを支える大規模車載データを活用することで検出可能対象を拡大し、歩行者などの検出精度を向上させることができたとのことだ。
これらの改善により、GSP3では交差点での衝突回避支援や操舵回避の支援が可能だという。
なお、2021年8月に発売された日野自動車が製造するトラック「日野レンジャー」、2021年10月に発売された「レクサス NX」、2022 年1月に発売されたトヨタ「ノア」「ヴォクシー」に予防安全システム向けの製品として採用されているとのことだ。