EY Japanは、デル・テクノロジーズと共同で、女性起業家のビジネス成長の支援を目的とした女性起業家育成プロジェクト「DWEN x EY Support & Innovation Pitch」 (以下SI Pitch) をオンラインで開催しており、12月15日には、年商1億円以上企業を対象にしたステージAのピッチイベントを行った。

「DWEN x EY SI Pitch」は、メンタリングとプレゼンピッチイベントを通して、公募によって選出された15名の女性起業家・起業を目指す女性の事業発展をサポートする「育成」プログラム。

デル・テクノロジーズは、デル女性起業家ネットワーク(DWEN)を通じて、2010年より世界の女性起業家へ世界都市でのDWENサミットやイベントにて支援を行っている。

SI Pitchでは、さまざまなビジネスエキスパートに審査員とメンターとして参加してもらうほか、すでにビジネスを展開している女性経営者も加え、審査によって選ばれた女性起業家を支援していく。

EY新日本有限責任監査法人理事長 片倉正美氏

EY新日本有限責任監査法人理事長 片倉正美氏は、主催者を代表して、「最近はあらゆるタイプの女性起業家を支援するメンタリングプログラムが数多く出てきたが、女性のサポートが増えるという点では良いことだと思っている。今回のイベントは、産業界の一線で活躍されている方が審査員やメンターとして女性起業家を支え、すでにビジネスを展開している先輩の女性起業家の方にもアンバサダーとして参加いただいている。これだけのメンバーが女性起業家をサポートしているイベントはほかにはないと自負している」と挨拶した。

今回のイベントの参加者募集は8月に行われ、ステージA(年商1億円以上)、ステージB(年商3000万~1億円未満)、ステージC(起業前~年商3000万未満)の3つのステージにおいて、それぞれ5名が選ばれた。

  • SI Pitchのスケジュール

選出された15名(5名×3ステージ)に対してはこの2カ月間、それぞれにメンターが数名付き、ビジネスプランのブラッシュアップを行ってきた。その練り上げたプランをプレゼンするのが、ピッチイベントだ。そして、12月15日にはステージAのピッチが行われた。

プレゼン後には一人の最優秀賞を選出し、参加者全員には各分野の著名有識者によって、事業に関するアドバイスや評価シートが提供される。なお、最優秀賞を受賞した人には、DELLのノートPC(XPS13 プラチナモデル)が、他の人にはディスプレイなどのDell クライアント製品が提供される。

ピッチの持ち時間は5分間で、その後7分間、審査員から質問やアドバイスを受けた。

なお、すでにステージCは11月18日にステージBは12月2日に、それぞれピッチイベントを開催している。

最後となるステージAのピッチイベントには、以下の5名が参加した。

  • ステージAのピッチイベント女性起業家

社名 代表者 提供する製品・サービス
マスコール 境 順子 マスコールは、さまざまな産業向け高圧ガスの製造/販売/配送のほか、高圧ガス容器の販売や点検を手掛ける。同社はコロナ禍で売上が落ち込む中、新たな高圧ガスの利用用途として、食品のガス冷凍や鮮度維持(MAP包装)に利用しようとしている。すでに、一部の企業は行っているが、大手に限られるという。そこで、すそ野を広げていくために、社内に実験ができるキッチンラボとイベントが行えるコミュニティスペースを開設。食品提供企業との共創を行っていく。
Crossdoor 大舘 陽子 同社は、家電をスマホで操作するためのスマート家電リモコンを提供している。提供先は、一般家庭のほか、公共施設やホテル、店舗などの法人もある。同社はこれまでの10年間で培ったハードウェアやサービス開発力を活かし、デジタルリテラシー格差など世の中の困りごとを解決するため、新たなソリューションを開発して売上拡大を狙う。
ナスクインターナショナル 左近 美佐子 同社は抗ウイルスコーティング「メディカルナノコート」を提供しており、公共機関、医療施設、ホテル等で利用されているが、今後は、自動コーティングマシンを開発し、玩具店等に置き、子供が自らコーティングを行えるようにしていこうと考えている。ウォーターサーバのようにマシンは無料で、サブスクで溶剤使用料として月額3万円を徴収するモデルを考えており、2028年にこのビジネスで72億円の売上を目指す。
3D 新川 愛こ 同社は歯科技工業務や歯列模型のデータ管理などを行っているが、今後は3Dスキャナと3D歯科加工機を使って、歯科医院内でかぶせ物や義歯を作成することで歯科技工士への発注をなくし、虫歯治療を1日(60分)で完了させることを目指している。同社は医院の検索予約、医院の機材選定や教育、集客サービスなどを提供する。そして、10年後に1700医院に導入し、売上4.7億円を目指す。
センショー 堀内麻祐子 同社はめっき受託加工を行っているがこの10年で若返りと売上拡大(3.8倍)を達成した。しかし、この業界は高齢化と設備の老朽化で社数は減少している。同社は、こういった企業をM&Aし、この10年で培った成長ノウハウを活用し、拠点と仕事の幅の拡大を実現。世界進出を考えている。そして、2025年に売上30億円(2019年は7億円)を目指す。

審査員からは、ターゲット、注力する領域、経営上の課題、今後のビジネスモデル、今後の拡大計画、競合との差別化、市場のポテンシャルなどが質問されたほか、資金獲得うあエコシステム構築のためのアドバイスなどが行われた。

審査は主に、起業家精神、イノベーション、ビジネス成長性の3点で、さらに実現性、発展性、そのための施策を取っているか、リスク側面などにより判断。総合的に審査員間で話し合いが行われ、選出された。

その結果、3Dの新川 愛こさんがステージAの最優秀賞を獲得した。

  • 3Dの新川 愛こさんが最優秀賞を獲得

選考では票が割れたということだが、3Dの実現可能性、社会に与えるインパクト、業界の成長性、顧客の具体性などが評価されたという。

  • 3Dのビジネスモデル