コニカミノルタは12月15日、オンラインでインダストリー事業に関するメディア説明会を開催した。説明会では同社のポートフォリオ戦略と画像IoTプラットフォームについて語られた。
オフィス事業に続く、新たな事業の柱の構築が急務
まず、同社の事業ポートフォリオ戦略に関してコニカミノルタ 経営企画部長の吉村裕介氏が説明した。
同社では、製造業として培った技術・ノウハウなどの「技術」、業界キープレイヤーと密な関係の「顧客接点」、生販開一帯の組織運営を実現する「人財」の3つがインダストリー事業の価値・競争力を支える無形資産と位置付けている。
インダストリー事業の対象市場とプロダクト・サービスについて、吉村氏は「ディスプレイ(テレビ、ICT/モバイル、サイネージ)、自動車/モビリティ、製薬・食品・リサイクル・エネルギーといった業界に対して、センシングや材料・コンポーネント、画像IoTソリューションなどを提供している」と説明した。
ただ一方で、同社のいわゆる複合機を中心したオフィス事業はペーパーレス化の進展に伴い、事業環境が厳しさを増す中でも利益を生み出し続ける構造への変革に迫られており、売り上げに依存しない収益構造への転換や一層の売り上げ・粗利益の向上が課題だという。
このようなことから、同社ではオフィス事業に続く柱となる事業の構築が急務となっている。そこで、これまでのオフィス事業で培った顧客基盤を活用し、業種業態に深耕したDX(デジタルトランスフォーメーション)化・分散化を支援する「デジタルワークプレイス事業」、イメージング技術を進化させて産業におけるバリュー/サプライチェーンの変革を目指す「インダストリー事業」「ヘルスケア事業」「プロフェッショナルプリント事業」に加え、「DXによるビジネスモデルの進化」へとポートフォリオの転換を図る考えを示している。
中でも画像IoTソリューションとセンシング、インクジェットヘッドなどのIJコンポーネント、機能材料のインダストリー事業は中長期で社会課題を解決する同社のコア事業であり、戦略的新規事業の買収も含めて人財・技術に積極投資し、顧客・パートナーの拡大を進めていく方針としている。