Googleは11月15日(米国時間)、Webブラウザ「Chrome」の最新版となる「Chrome 96」をリリースした。Phoronixは「Google Releases Chrome 96 With Back-Forward Cache Enabled For The Desktop」において、Chrome 96の主な新機能として、デスクトップ版でバックフォワードキャッシュが有効になったことなどを取り上げている。
バックフォワードキャッシュは、一度訪問したWebページの完全なコピーをメモリに保存しておくことで、[戻る]ボタンなどによって再度同じページを訪れた際に極めて高速に表示できるという技術である。元々、Android版のChromeではバックフォワードキャッシュを使えたが、Chrome 96からはWindowsやmacOSなどのデスクトップ版にも搭載された。
バックフォワードキャッシュの有効/無効の切り替えは、「chrome://flags/#back-forward-cache」のフラグによって行うことができる。デフォルトではサイトをまたいだページ移動でのみ有効になっているが、このフラグを「Enabled same-site support」にセットすることで、同じサイト内の移動でも有効にすることができる。ただし、この設定はまだ試験的に導入されている段階だ。同様に、すべてのページを強制的にキャッシュする設定も試験的に用意されている。
その他、Chrome 96における主な新機能としては、次のようなものが挙げられている。
- DNSがHTTPSレコードに対応している場合に、HTTPS経由の接続に自動的にリダイレクトする
- PNGをクリップボードにコピーした際に、PNGメタデータを削除せずに保持する
- WindowsおよびmacOSにおいて、CSSメディアクエリのprefers-contrastがサポートされた
- 整数入力のみがサポートされている領域で、CSSのcalc(number)がサポートされた
- WebAssemblyで、JavaScriptおよびDOMオブジェクトへの参照を保持して引数として渡せるようになった