NXP Semiconductors(NXP)は、自転車メーカーRiese & Müllerを含む複数のパートナーとともに、V2Xアプリケーション・シナリオや電動自転車のセーフティ・デモンストレーションを、2021年10月11日から15日にかけてドイツのハンブルクで開催されるITS(Intelligent Transport Systems)世界会議で紹介すると発表した。

NXPのV2X技術はDSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)としても知られている通信標準の802.11pをベースとし、車両、道路インフラ、道路利用者によるリアルタイムの情報交換を可能にする。

同社は10月6日にも新たなV2X/IIoTアプリケーション向けSoC「i.MX8XLite」を発表していた

道路利用者の安全強化手法のデモを行うため、NXPとRiese & Müllerはスマート電動自転車のプロトタイプを開発。このプロトタイプはNXPのV2Xアプリケーション向けRoadLINK車載グレード対応DSRCモデムとハードウェア・セキュア・エレメントICを、Cohda Wirelessの車載機(OBU)と組み合わせているという。

この組み合わせにより、電動自転車は自身の位置、速度、走行方向に関するデータを、付近の潜在的危険をもたらすV2X対応車両に送信できるようになるといい、モジュールが道路利用者間の距離と位置の変化を数秒で計算し、危険な状況が発生した場合は、自転車利用者とクルマのドライバーの双方がタイムリーに衝突警告を受信するとしている。

NXPは、V2Xが電動自転車、電動スクーター、ロードサービス車両、さらに工事現場の照明などの広範な対象とつながり情報提供を可能にすることで、道路を共有するすべての人々の安全を実現していくとしている。