大阪ガスは9月29日、HACARUSおよび日本信号と共同で、地中にあるガス管や水道管などの位置をAIで判定する「AI自動判定ソフトウェア」を開発したと発表した。同ソフトウェアは地中レーダーの探査画像をAIが自動判定して埋設管の位置を特定するもの。熟練作業者の判定方法をAIに学習させることで高精度なAIを実現したとのことだ。
同ソフトウェアには少量の学習データで高い精度を発揮できる手法である「スパースモデリング」を採用しており、開発にかかるコストと時間を削減できたという。同ソフトウェアは既存の地中レーダーにも搭載でき、初心者でも簡単に埋設管の位置を特定することが可能になった、
道路の掘削作業を行う際は、地中に埋設されたガス管や水道管、下水管、電力および通信ケーブルなどを破損しないよう、事前に埋設管の位置を特定する必要がある。大阪ガスではこれまで地中レーダーを用いて埋設管の位置を探査していたのだが、従来の方法では埋設状況によって判定が難しいケースがあるため埋設管の正確な位置を特定するには一定の経験が必要だったという。
こうした課題の解決に向けて3社は、同ソフトウェアの開発に至ったとしている。また、3社は今後について、より安心で安全な工事ができるよう、全国のガス、水道、電力、通信などの事業者へ同ソフトウェアを普及させていくとともに、今後もAI判定精度の向上に取り組んでいくとしている。