グラクソ・スミスクライン(GSK)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬として、点滴静注で単回投与のモノクローナル抗体「ソトロビマブ(sotrovimab)」について、厚生労働省に特例承認の適用を希望する形で製造販売承認申請を行ったことを発表した。

ソトロビマブは、酸素療法を必要としない軽症・中等症かつ重症化リスクが高いと考えられる新型コロナ患者を投与対象とした治療薬で、海外の第II/III相臨床試験(COMET-ICE試験)において、重症化リスクの高い軽症から中等症の新型コロナの成人患者に対し、入院または死亡のリスクが有意に低下することが確認されている。

また、in vitro試験のデータからは、デルタ株、ラムダ株を含む懸念される変異株・注目すべき変異株に対して活性を維持することも示されてるとしているが、変異株に関するin vitroのデータが臨床に及ぼす影響はまだよく分かっていないことから、現在もデータ収集と解析が継続されているという。

なお、すでに米国では緊急使用許可を得ているほか、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)からはRegulation 726/2004のArticle 5(3)に基づき肯定的な科学的見解を得ているという。このほか、カナダ、イタリア、アラブ首長国連邦、シンガポールなどで一時的承認を、オーストラリアでは承認をそれぞれ取得しているという。