SpaceBDは8月25日、日本国内外の研究機関・教育機関・民間企業10組から集めた、研究用素材や記念品を対象に宇宙空間に打ち上げ曝露する「スペースデリバリープロジェクト」を開始することを発表した。対象品は2021年度内に国際宇宙ステーション(ISS)の補給船に搭載され、打ち上げを予定しているという。
同プロジェクトは国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の中型曝露実験アダプタ(IVA-replaceable Small Exposed Experiment Platform: i-SEEP)に搭載する新たな小型簡易曝露実験装置(Exposed Experiment Bracket Attached on i-SEEP: ExBAS)を活用したもので、SpaceBD主導で広く参加団体を募り、対象品の選定から打上げ、地上回収までをSpaceBDが担当するとしている。
「スペースデリバリープロジェクト」第1弾となる今回は、民間企業や研究機関など計10組から集めた、研究用素材、写真、イラストなどのさまざまな対象品を宇宙空間に打ち上げ曝露を行う計画だという。
例えば、京都大学からは研究活用として、木造人工衛星打ち上げのための宇宙空間での木材の耐久性確認のために、木材試験体とポリイミド樹脂を打ち上げ暴露し、クラーク記念国際高等学校からは記念品として学校名のロゴパネルを刻印したアルミ板を打ち上げる予定だ。
なお、i-SEEPの利用事業者として同社は2020年より宇宙航空研究開発機構(JAXA)とExBASの共同開発を行ってきた。ExBASを利用することで、今後は宇宙空間への材料などの曝露サービス提供が可能となり、これまで研究活用目的中心の利用に加えてより幅広く一般を対象とすることで、宇宙利活用の裾野を広げていくことが期待できると同社では説明している。