IC Insightsが発表した世界の地域・国別半導体生産能力調査の分析結果によると、2020年12月時点でもっともウェハ生産能力を有するのは台湾で、シェアとしては21.4%となるという(所有企業の国籍関係なしに、その地域にある半導体工場の生産能力)。

世界最大のファウンドリTSMCのほかにも、ファウンドリ大手のUMCなどを擁していることなどが要因となっている。2位は韓国で、シェアとしては20.4%。Samsung ElectronicsとSK Hynixというメモリ大手3社のうち2社が拠点を構え、かつ2社ともにDRAM、NANDともに生産能力拡充のために積極的に設備投資を進めているためで、300mmウェハに限ってみた場合の生産能力はトップ(台湾が2位)となるという。

  • IC Insights

    世界の月間半導体生産能力の地域・国別内訳(200mmウェハ換算、2020年12月時点)

3位は15.8%の日本。台湾は2011年に日本を抜き、2015年に韓国を抜いた後、5年間にわたって生産能力トップの地位にあり、IC Insigntsでは、少なくとも2025年までは世界最大のウェハ生産能力を有し続けると予測しており、具体的には2020年から2025年までの間、毎月140万枚(200mmウェハ換算)の生産能力が追加されていくと見ている。

4位は15.3%で中国となっており、同社では2021年末までには中国が日本を上回るものと予想している。中国は2010年に欧州を抜いた後、2016年にアジア・太平洋その他(シンガポール、イスラエル、マレーシア、ロシア、ベラルーシ、オーストラリアなど)を抜き、2019年には北米を抜くなど、近年、生産能力の拡充を急速に図ってきた。これまでは、今後も少なくとも数年の間は、諸外国の半導体メーカーや自国のICメーカーが生産能力を増強させていくことが期待されるという。

5位の北米の生産能力シェアは12.6%。大手ファブレスが多数存在するも、実際の生産は主に台湾のファウンドリが担当しており、減少傾向が少なくとも2025年までは続くと同社では予測しているほか、6位の欧州も同様に生産能力シェアは減少が続くとの見方を示している。

なお、日本のウェハ生産能力の過半は、キオクシア/Western Digitalを中心としたメモリとなっている。