リコーは7月16日、防塵・防水(IP65対応)の42インチ電子ペーパーデバイス「RICOH eWhiteboard 4200」を7月24日から提供開始すると発表した。同社は同製品によって、建築業界や消防業界など、屋外での図面確認が必要な現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の後押しを狙っている。価格はオープンだが、想定販売価格は47万7400円とのこと。
同製品は42インチの大きさながらも、厚さ14.5ミリメートル、重量5.9キログラムと非常に軽量化されている。表示される線や文字は小さくても鮮明に視認でき、自発光しないため太陽光の下で見えにくくなることはないという。また、ディスプレイに手書きした文字を認識して、自動でデジタル化する機能も備えており、予測変換や辞書登録にも対応している。
防塵および防水加工も施されているうえ、バッテリーが本体に内蔵されているため、屋内外で自由に使用可能だ。壁かけ、立てかけでの使用に加えて、突起のないフラットなデザインなので、卓上に平置きして書き込みながら作業を進められる。なお、6時間の充電で、通信をしながらの使用は10時間稼働できる。
同製品には、クラウドサービス「RICOH eWhiteboard Add-on Service」のアドオンも提供される。アドオンを利用することで、画面を4分割して複数のページを一覧で表示できる。この機能を活用すると、1つの枠には設計図の全体を表示して、残りの枠に拡大図を表示するといった使い方ができる。
さらに、アドオンを使用することでBox、One Drive for Business、Dropbox、GoogleDriveといったクラウドストレージに資料を保存できるようになる。書き込んだ資料は即時に遠隔地のPCやスマートフォンと共有することで、迅速な情報共有が可能だ。
同社のICT事業本部 エッジソリューション企画センター コミュニケーション事業企画室 VC商品G 長谷部氏は「クラウドストレージで即時に情報共有できることで、現場とオフィスがつながる。資料の事前準備や保管がデジタル化できれば、現場監督の負担も軽減できるはず」と述べた。
これまで、ホワイトボードに手書きで書き込んでいた定型フォームを「PDFフォーム」として作成し、同製品から手書き入力も可能だ。PDFフォームへの入力規則をあらかじめ定めておくことで、自動で左寄せなどレイアウトが調節される。また、ディスプレイを掲示する際には隠しておきたい個人情報をマスキングする運用にも対応している。
また、手書き入力された文字はその場で同期されるため、遠隔地のPCからもExcelファイルやPDFファイルとしてすぐに確認ができる。
「RICOH eWhiteboard Add-on Service」の提供価格は、月額1万1000円または年額13万2000円。同社は、建設業や製造業での図面確認のほか、災害時の医療や消防、事故や故障が起こった際の鉄道でのリアルタイムな情報伝達など、正確性と迅速性が求められる現場での使用を想定しているとのこと。