アジレント・テクノロジーは6月22日、同社の質量分析ソフトウェア「MassHunter」のオプションとして、2次元液体クロマトグラフィ(2D-LC)ソリューション「Agilent InfinityLab 2D-LCソリューション」のコントロールを可能とする「MassHunter for Q-TOF」の提供を6月下旬より開始することを明らかにした。
2D-LCは、2つのクロマトグラフィ条件を組み合わせることで、通常のクロマトグラフィ条件(1次元クロマトグラフィ、1D)では困難であった高分離を実現する手法であり、1次元目からの溶出液のすべて、あるいは一部を2次元目に導入して分離を行うことで、従来より多くの化合物を一度に分離することを可能とするもの。
同社の2D-LCソリューションは、既存のHPLCから低コストでアップグレードが可能であり、かつさまざまなモードを2Dで切り替えたり、ある時は1D、またある時は2Dと簡単に切り替えることも可能といった特徴がある。
また、2D-LCの条件設定には、2台のポンプのパラメータ、バルブ切り替えのタイミングなどの多くの項目があるが、専用ソフトウェアが提示するガイドに従って操作することで、3ステップで2D-LCのメソッドを作ることができる操作性も兼ね備えているという。
ただし、これまではOpenLab CDS ChemStationソフトウェアで2D-LCをコントロールし、後段の四重極飛行時間型(QTOF)MSはMassHunterソフトウェアでコントロールする必要があったという。そこで今般、同社はより利便性を向上するべく、MassHunterのオプションとして「MassHunter for Q-TOF」ソフトウェアを開発。1つのソフト上で2D-LCとQ-TOFの両方をコントロール可能としたほか、2Dデータ解析もMassHunter上で行えるようにしたという。
なお、同社では今後も2D-LCに対する投資を継続的に行い、ユーザーの利便性を向上させるソリューションパッケージの提供を進めていくことで、通常のHPLCのような簡便性とパワフルな高分離の両立を図っていくとしている。