TSMCが最先端プロセスとなる4nm(N4)プロセスを用いたリスク生産を計画通りとなる2021年第3四半期中に開始し、問題が見つからなければその後に量産体制に移行するとの見通しを台湾Digitimesが報じている。また、3nm(N3)プロセスについても順調に開発が進んでおり、2022年後半の量産開始が予定されているという。
また、台湾の業界関係者によると、2021年秋に発売される予定の次世代iPhone向けとなるA15プロセッサ(仮)にはTSMCの改良版5nmプロセス(N5P)が採用される見通しだという。
ただし、先端プロセスを扱えるIntel、TSMC、Samsung Electronicsの3社のプロセスについて米IC Knowledge社がトランジスタ密度で比較したところ、Intelが開発段階における歩留まり低迷で悩んでいる7nmプロセスは、TSMCの4~5nmプロセス、Samsungの3~4nmに相当しているという。いわゆるコマーシャルのためのプロセスであることに注意が必要である。
IntelのPC向けCPU市場シェアが2022年に過去最低となる可能性
なおDigitimesではこのほかの情報として、台湾の業界関係筋によるものとして、IntelのPC向けプロセッサの市場シェアが2022年に過去最低を記録する可能性があると伝えている。TSMCの最大顧客であるAppleがMac用CPUをIntel製から自社開発のArmベースCPUに切り替えているほか、AMDもTSMCの先端プロセスを採用したCPUでIntelのシェアを奪いつつあり、そうした影響からIntelはPCプロセッサ市場でのシェアを減らすことになるという。その結果、2022/23年におけるPC用MPU市場で、Apple、AMDともに10%程度のシェアを獲得し、Intelのシェアは80%を切る程度にまで落ちる可能性があるという。