シャープは3月31日、NTTドコモと連携し、災害時の広域監視利用を想定した5G(第5世代移動通信システム)による8K高精細映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したと発表した。災害発生時の被災状況のタイムリーかつ広範囲な確認など、災害対策や防災用途での利用が期待できるという。
今回の実証実験は、3月8日、9日、10日、12日の延べ4日間、神奈川県横須賀市の「横須賀市ドローンフィールド」で実施された。テストフィールド内に実験用5Gネットワーク環境を構築し、ドローンに搭載する8Kカメラで撮影した地上の映像を、上空約60mから5Gで地上の8K対応テレビにリアルタイムに配信した。映像配信に次世代技術のSRT(Secure Reliable Transport)を用いることで、途切れることのない映像を表示させることに成功したという。
また、地上に置いた8cm角の市松模のボードを、上空約60mと約40mの2地点から8Kと4Kで撮影し、映像を拡大して比較・分析したところ、8Kは、4Kより高い地点からでも同程度の精細度で撮影できることに加え、一度の撮影でより広範なデータを取得できることがわかった。同実証実験で、2Kの16倍の情報量を持つ8K映像データを、5Gでリアルタイムに伝送できることを確認できたとしている。
今後は災害発生時における被災状況のタイムリーかつ広範囲な確認など、災害対策や防災用途での利用を期待できるとのことだ。