電気自動車(EV)メーカーの米Teslaは3月24日(現地時間)、同社の米国のオンラインショップにビットコイン決済を導入した。CEOのElon Musk氏によると、年内に米国外でもビットコイン決済を利用できるようにする。
米国のWebサイトでは、購入画面の支払い方法にクレジットカードやApple Payと並んでビットコインを使った決済手続きのボタンが表示され始めた。ビットコインは常に価格が変動し、ボラティリティが大きい。ビットコイン決済ページに進むと、QRコード、ビットコインアドレス、ビットコイン価格などと共に支払い期限のタイマーが示され、時間内に支払いを済ませられなかったらそのビットコイン価格に基づいた支払い手続きが失効し、支払い手続きまたは注文作成をやり直すことになる。
USドルの価格から換算したビットコインは細かな数字になる。例えば、Teslaがデポジット(保証金)に設定している100USドルは、ビットコインだと0.001899705 BTC(3月25日)だ。こうしたビットコインの取り引きでは、デジタルウオレットで送金額を入力する際に誤りが起こることが少なくない。Teslaの注文で送金額を誤ると、デポジットの場合はキャンセル、最終支払いだと納車が遅れる可能性がある。ビットコイン以外の暗号通貨を送金するなど、Teslaが受け付けられない誤りの場合、送金者が暗号通貨を失う可能性もある。そうした決済手続きに伴うデジタル資産の紛失に対してTeslaは責任を負わない。また、返金についても、購入時に支払ったビットコインまたはUSドルの価格で行うため、ビットコイン/USドルの変動によっては返金で損失を被る可能性をTeslaは警告している。
Musk氏によると、Teslaはオープンソースの独自ソフトウェアによるノードでビットコイン決済を処理する。支払われたビットコインはUSドルなど法定通貨に換金せず、ビットコインとして持ち続けるという。
今年1月、Musk氏がTwitterのプロフィールページでビットコインに言及。2月にTeslaが15億ドル分のビットコインを購入したことを明らかにし、近くTeslaがビットコイン決済に対応する計画を明らかにしていた。そうしたMusk氏とTeslaのビットコイン支持によってビットコイン価格が急伸、逆にMusk氏が「高いようにみえる」とツイートしただけでビットコインが大きく下げる展開になるなど、ビットコイン相場に刺激を与える存在になっている。