キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)と弁護士ドットコムは12月3日、電子契約サービス領域で業務提携し、キヤノンMJは契約内容の検討から承認ワークフロー、契約締結手続き、契約書の保管、閲覧・検索まで、契約業務プロセスをデジタル化する「契約業務支援サービス」の提供を同10日から開始すると発表した。

  • 新サービスの全体概要

    新サービスの全体概要

新型コロナウイルス対策としてテレワークを前提とした働き方改革が進む中、企業では業務のペーパーレス化や電子契約の導入が急速に進んでいることに加え、押印に関する電子契約を検討する企業では契約書の締結のほか、社内決裁処理や契約書の保管業務など関連業務についてもデジタル化へのニーズが高まっているという。

このような企業のニーズに対応し、キヤノンMJは弁護士ドットコムと業務提携する。Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を中核とした契約業務支援サービスの提供を開始。

同サービスは、契約締結業務のデジタル化に加え、ニーズに応じて「契約内容の検討・合意」「社内承認申請」「保管・閲覧」など、契約業務プロセス全体のデジタル化を実現し、取引先との手続きの簡略化やスピードアップ、印紙代や製本・郵送をはじめとした事務手続きの低減など、業務効率化、コスト削減を支援する。

システム構成は、クラウドサインと「Salesforce」やテラスカイのコミュニケーションプラットフォーム「mitoco」をシームレスに連携させたクラウド型サービスの構築が可能なほか、キヤノンMJグループのローコード開発プラットフォーム「Web Performer」を活用し、業務用途にあわせた契約管理システムをオンプレで構築することも可能としている。

また、キヤノンITSの電子ファイリングシステム「ReportShelter」と組み合わせることで、契約書の検索や電子契約書と紙の契約書の一元管理ができるという。

主な特徴として、社内の法務部門と担当部門間の契約内容を情報共有する「契約管理業務システム」や相手先との契約交渉をポータルサイトで実現する。クラウド型サービスの場合はセールスフォース・ドットコムの「CommunityCloud」で構築し、オンプレミスの場合にはキヤノンITSのローコード開発プラットフォームであるWeb Performerを活用して構築。これにより、契約内容の検討から合意までをセキュアかつスピーディに進めることを可能としている。

また、契約締結時における社内の押印申請はテラスカイのmitocoを活用することで、押印に関わるワークフローをペーパーレス化してテレワークにも対応。mitocoではSalesforceで管理される顧客情報と紐付けて契約情報を管理でき、クラウドサインとの連携で押印承認後、外部との契約締結までシームレスに進めることが可能なほか、オンプレミスの場合には「Web Performer」上のワークフロー機能で構築することもできる。

さらに、手続きに時間を要していた押印や紙による契約手続きをクラウド上で完結させることで、契約締結までの時間を短縮し、コスト削減を実現することに加え、電子契約で必要な電子署名とタイムスタンプも備えており、モバイルワークでも契約書の証拠力を担保しながら円滑な契約業務を可能としている。

加えて、ReportShelterを活用し、紙の契約書と電子契約を電子帳簿保存法に準拠した一元管理を実現するほか、紙の契約書の電子化については、キヤノンMJグループのBPOサービスを活用することで、ニーズにあわせたサービスを提供することができる。

キヤノンMJは、ドキュメントソリューションや紙文書の電子化BPOサービスのノウハウを活かして、グループの顧客基盤である中堅・中小企業から大手企業向けに新サービスを提供し、当初は大手企業を中心に個別システム開発のニーズに応じてトータルで提案するほか、中堅・中小企業には新サービスのうち必要なサービスを提供する。今後もクラウドやAI、IoTなどの新しい技術を活用し、業種・業務別のバックオフィス業務や新しい価値を提供するサービスなど、ビジネスモデルの変革を支援するデジタルソリューションを展開していく。

今年10月に同社はクラウドサインを導入しており、契約業務のデジタル化を進めるとともに、弁護士ドットコムとの連携強化を図る。また、キヤノンMJグループの幅広い顧客基盤と技術力を活かし、企業の契約プロセスのデジタル化を加速させていく考えだ。

価格は、いずれも税別でクラウド型(mitoco、クラウドサイン for Salesforce、Salesforce CommunityCloudを含む)で100万円~/年、オンプレ型で1000万円~。