ソフトバンクロボティクスは9月28日、外食産業(飲食店)向けに、飲食物の配膳・運搬を人間の代わりに行うロボット「SERVI(サービィ)」の販売を2021年1月より開始すると発表した。また、併せてPepperが、コロナ禍の施設の入り口で行われている検温・声掛けを人に代わって行う「サーマルPepperパック」の提供を開始したことも発表した。
SERVIは、米Bear Roboticsが開発した配膳・運搬ロボット。3Dカメラを3台、LiDARを1台搭載したSLAM技術により店舗を一周移動させてマップを作成してしまえば、マーカーレスで後は起点と目的地までの最短・最適ルートで移動を行うことができるようになり、最短3時間で利用が開始できるようになるという。
通行可能な幅は60cmとしており、人や物を検知・回避し、狭い通路でも安定して運搬が可能だとするほか、行き先ボタンとGoボタンのみで、誰でも使えるように配慮した作りとなっている。
また、重量センサを搭載しており、料理を届けたら辻の目的に向けて移動することが可能。積載量も最大35kgと、複数の注文を一気に運ぶことが可能となっている。
すでに実証実験レベルで3000kmを走行し、安定した成績を達成したとのことで、セブン&アイ・フードシステムズ(デニーズ)、ソルト・コンソーシアム、とんでんホールディングス、物語コーポレーションなどで導入検討が進められており、中でも物語コーポレーションでは300店以上の店舗での導入が決定しているという。
価格は3年プラン(36か月)で月額9万9800円(税別)で、故障に対する無償保証としており、翌日に交換品が届くといったサポートも行っていくとしている。
一方のサーマルPepperパックは、人型ロボット「Pepper」の法人向けモデル「Pepper for Biz 3.0」を用いた新たなソリューションという位置づけ。コロナ禍において店舗や施設の入り口で行われている来店客の体温測定、マスク着用の有無、手指の消毒などをPepperを中心としたソリューションで実現しようというもの。サーマルカメラ、発熱検知用アプリケーション、そしてPepper for Biz 3.0のサービスをパッケージ化したもので、一定温度を超えている来店客に対し、Pepperが声がけを行う機能など、用途に合わせた対応内容などのカスタマイズも可能だという。
また、Pepper for Biz 3.0の既存契約者向けには、Pepper本体を除いたサーマルカメラと発熱検知用アプリケーションのセット「サーマルカメラ for Pepper」が提供され、これにより現在利用中のPepperにサーマルPepperパックと同等の機能を搭載することが可能になるという。