Mozillaは7月16日(米国時間)、メールクライアント「Thunderbird」の最新版となる「Thunderbird 78.0」をリリースした。2019年8月以来となるメジャーアップデートであり、新規作成ウィンドウの再設計や、設定ダイアログの再設計、カレンダーとタスクのアドオン統合などといった変更が加えられている。Windows版、macOS版、Linux版がそれぞれリリースされている。
Thunderbird 78.0は以下の公式サイトからダウンロードできる。
また、変更点に関する詳細は、以下の公式ブログにまとめられている。
従来バージョンから大きく変更された点としては、前述のように新規メール作成ウィンドウのUIの再設計が挙げられる。機能を見つけやすいようにアイコンなどのデザインが変更されたほか、宛先を一行に集約してスペースを削減するなどといった改善が行われている。
また、最近のアプリケーションではスタンダードになりつつあるダークモードも追加された。デフォルトでは、OSの設定をダークモードしているかどうかを調べ、それに準ずるようになっている。
設定ダイアログも再設計されている。下図のように情報がアイコン化して整理されており、関連する情報が見つけやすいようになった。
スケジュール管理については、これまで「Lightning Calendar」および「Tasks」というアドオンが提供されており、これによってカレンダー機能とタスク管理機能を利用することができた。Thunderbird 78.0ではこれが本体に統合されてている。
注意点としては、Thunderbird 78.0からは、拡張機能用のAPIとして「MailExtensions」のみがサポートされるようになったことが挙げられる。レガシーアドオンと呼ばれる古いバージョンのAPIを利用している拡張機能は、78.0以降は動作しなくなる。そのため、拡張機能を利用しているユーザーは、その機能がMailExtensionsベースにアップデートされるまで78.0への更新を待つことが推奨されている。
また、暗号化機能であるOpenPGPの組み込みサポートについては、いくつかの未解決の問題が残っているため78.0のリリースでは見送られた。この機能は、数ヶ月以内にリリースされるThunderbird 78.2から利用できるようになる予定とのことだ。