Microsoftは6月17日(米国時間)、「GPU Compute, WSL Install and WSL Update arrive in the latest Insider build for the Windows Subsystem for Linux|Windows Command Line」において、WSL機能を有効化する機能とWSL 2のLinuxカーネルをアップデートする機能をwsl.exeコマンドに追加したと伝えた。同日公開された「Windows 10 Insider Preview Build 20150」から利用できるとされている。

Windows 10では、Linuxバイナリを実行する機能であるWSL (Windows Subsystem for Linux)がデフォルトで有効化されておらず、これまではコントロールパネルの「Windowsの機能の有効化または無効化」などから手動で有効化し、システムを再起動する必要があった。

しかし、今回導入された機能によって、wsl --installで機能の有効化が可能になる(システムの再起動は必要)。将来的には、Linuxディストリビューションをインストールした段階で自動的にwsl --installが実行されるようになる見通しで、Microsoft Storeからインストールしてシステムを再起動することで利用できるようになると見られる。

  • WSL2のLinuxカーネルはWindows Update経由でアップデートされるように変更された - 資料: Microsoft提供

    WSL 2のLinuxカーネルはWindows Update経由でアップデートされるように変更された - 資料: Microsoft

また、WSL 2で使われるLinuxカーネルは他のサードパーティ製ドライバと同じように、Windows Updateでアップデートが提供されるようになったのだが、この操作をwsl --updateといったコマンドでも実施できるようになった。今回導入された新機能をまとめると次のようになる。

コマンド 内容
wsl --install WSL (Windows Subsystem for Linux)の機能を有効化するとともに、必要となるコンポーネントのインストールを行い、システムを再起動するように促す。
wsl --update WSL 2のLinuxカーネルを最新バージョンへアップデートする。
wsl --update --status WSL 2のLinuxカーネルバージョンおよびアップデートを実施した日時を表示する。
wsl --update --rollback WSL 2のLinuxカーネルを1つ前のバージョンへロールバックする。

Microsoftは、WSLにおいてLinuxディストリビューションを利用する方法を簡単にすることで、より多くのユーザーがこの機能を利用できるようになることを狙っていると思われる。