JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)は4日、スマートフォンアプリを活用した痴漢防止対策のための実証実験を開始することを発表した。

  • 実証実験の概要(同社資料より)

    実証実験の概要(同社資料より)

実証実験は2ステップに分かれる。2月下旬から3月中旬埼京線車内(大宮駅から新宿駅間の7:00から10:00/土日は除く)に行われる「第1ステップ」では、同社社員およびモニターがスマートフォン専用アプリで車掌に通報、車掌はタブレットでこれを素早く把握。通知内容に基づき、列車内での車内放送を行うことで周囲の車乗者に気づきを与え、これにより痴漢行為の抑制を図る。

通報タイミングはあらかじめ設定されており、乗車客へのアンケートによる調査や専用アプリの技術的検証、放送内容の選定を目的としている。放送内容は以下の3パターンが予定されている。

パターン1:一般的なマナー放送 例)「痴漢を見かけた方はお知らせください」
パターン2:迷惑行為があったことを伝える放送 例)「車内のお客さまより迷惑行為の連絡がありました」
パターン3:〇号車から痴漢通報があったことを伝える放送 例)「〇号車のお客さまより、痴漢の通報がありました」

「第2ステップ」は6月以降、同じく埼京線車内での実施が予定されているが、専用アプリのボタンタイミングは決められていない。警察への通報など最寄駅員との連携が加わり、モニターへのアンケート調査が行われる。同社は国立情報学研究所 新井 紀子教授をはじめとした有識者とともに列車内での痴漢行為に対する通報システムの検討を進めており、今回の実証実験へと至っている。