東京商工リサーチは12月6日、2019年(1-11月)上場企業の「早期・希望退職」の実施状況をまとめた結果を発表した。
2019年1月から11月までに早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万1351人に達したことがわかった。社数、人数ともに11月末の時点で2014年以降の年間実績を上回り、最多を更新したという。
早期希望退職者の募集人数の最多は、富士通の2850人だった。これに、非開示だが同社の取材で判明したルネサスエレクトロニクスの約1500人、子会社の売却、事業など選択・集中を進める東芝が1410人、経営再建中のジャパンディスプレイの1200人が続いている。
業種別では、業績不振が目立つ電気機器が12社(延べ)でトップだった。これに、薬価改定や国外メーカーのライセンス販売終了などを控えた製薬が4社で続いている。
2020年以降においては、すでに7社による計1500人の早期・希望退職の募集が判明している。実施を発表した7社は、直近決算で最終赤字を計上した1社を除き、足元の業績が堅調な業界大手が占めているという。
みずほ証券では、福利厚生の一環として、希望退職者を2020年1月から3月にかけて募る。これは希望した人のみが対象で、応募から半年以内に次のキャリアが決まらなかった場合、応募の撤回も可能という希望者の意向を尊重した取り組みを実施するという。