岐阜県下呂市、KDDI、216WORKS、ユーフォニックは11月21日、下呂市小坂地域の地域振興とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を目的に、デジタルサイネージや複数の予約サイトの一元管理ができるサイトコントローラーを活用した観光誘客の実証実験を開始した。

下呂市の北部に位置する飛騨小坂は、落差5m以上の滝が200以上ある日本一滝の多い町です。当地域では近隣の観光地に比べて観光客数が伸び悩んでおり、特に拡大が見込める海外からの誘客が必要なことに加え、各観光地では多言語案内に対応している一方で、同地域の宿泊施設の多くはホームページでの多言語案内や海外からのネット予約に非対応で、外国人からの予約を受け付けにくいことも課題となっているという。

四者はこれらの課題を解決するために、外国語に対応したデジタルサイネージの設置、ドローンによる空撮映像などを活用したPR動画の制作、サイトコントローラーを活用した観光誘客の実証実験を開始する。これにより、下呂市の新たな客層への訴求力を高め、インバウンドのさらなる誘客を目指す。

具体的には、道の駅南飛騨小坂はなももへ「KDDI Touchサイネージ」を導入し、観光客に観光地や観光施設を静止画、動画を用いて紹介し、下呂市内の周遊を図るほか、一部の宿泊施設のタブレットでデジタルサイネージと同様のコンテンツを利用できるようにする。

  • デジタルサイネージの利用イメージ

    デジタルサイネージの利用イメージ

また、小坂地域のアクティブなイメージを発信するため、ドローンやアクションカメラを活用し、シャワークライミングにスポットをあてて制作した映像コンテンツをデジタルサイネージやYouTubeで発信し、インバウンドやアクティブアトラクションファンを中心に集客効果の向上を図る。

さらに、国内外の複数の宿泊予約サイトからの集客を可能にし、管理するオーナーの負担を軽減するサイトコントローラーを、民泊施設に導入する。

実施期間は2020年3月31日までとなり、各者の役割として下呂市は市内関係者との調整、広報やPR活動、KDDIは観光分野におけるICTノウハウの提供、本実証実験に関する企画、提案、216WORKSはデジタルサイネージ、サイトコントローラーなどを活用した実証実験の実施、ユーフォニックはドローンやアクションカメラを活用した映像コンテンツ制作をそれぞれ担当する。

なお、実証実験は下呂市とKDDIが昨年12月21日に地域活性化を目的とした連携に関する協定を締結した取り組みの一環となり、今後も両者は相互連携と協働による活動を推進し、ICTの現場での展開などを通じて地域の活性化を図る考えだ。