アサヒビールは5月17日、NECと共同で画像処理技術を活用した「輸入ワイン中味自動検査機」を開発した。現在、人が目視で実施している輸入ワインの検品作業の品質水準を維持した上で、自動検査機を導入し効率化することで、最適な品質管理体制を目指す。

4月から輸入ワインの受入拠点である横浜倉庫に輸入ワイン中味自動検査機を1機導入して、テスト稼働を開始しており、9月から輸入ワイン中味自動検査機を3機に増設し、検査ラインとして1ラインを本格稼働させる。その後、2021年内までに、関西と九州の倉庫にもラインを順次導入し、全国3カ所に合計4ライン(12機)で自動検品ができる体制を目指し、時間あたりの検品生産性が3倍に向上させる。

  • 輸入ワイン中味自動検査機

    輸入ワイン中味自動検査機

  • 作業員が瓶を検査機にセットする様子

    作業員が瓶を検査機にセットする様子

今回、自動検査機を導入することで検品作業の効率化を図ると同時に、今後見込まれる輸入ワインの販売数増加と労働力不足に対応することで、初心者でも対応できるため労働力が確保しやすくなり、今後の輸入数量増加に対応できる柔軟な勤務体系とすることも可能だという。

また、作業員の成熟度の違いによる差がないため検査品質の均一化が図れるため、今後も拡大を目指す輸入ワイン販売数量に対して、効率的で最適な検品体制を確立することにした。

輸入ワイン中味自動検査機は、赤外光照明やカメラおよび画像処理技術を活用し、ワインに異物が混入していないかを確認する検査装置。作業員が検査機にワイン瓶をセットして検査をスタートすると約10秒間、瓶が傾斜・旋回し、その際、液体に緩やかな渦流が発生するため、ラベルの陰に隠れた異物まで高精度に検出することができるという。

あらかじめ各種瓶形状に応じた最適な傾斜・旋回パターンの設定や、赤ワインや白ワインなど液色に応じた最適な光量、撮像タイミングを設定し登録することで、作業員は検査したい品種を選択すれば自動で検査することを可能としている。