アドビ システムズは4月15日、米国本社からエグゼクティブ バイスプレジデント Bryan Lamkin(ブライアン ラムキン)氏を迎え、プレスラウンドテーブルを開催した。

同氏は1992年に入社し、アドビの主力製品であるAdobe Creative CloudおよびAdobe Document Cloudの事業を統括しており、アドビのサブスクリプションビジネスへの移行を推進した幹部の一人。

  • 米Adobe エグゼクティブ バイスプレジデント Bryan Lamkin(ブライアン ラムキン)氏

同氏はラウンドテーブルの中で、アドビのビジネスを成長させた大きな変革として、クラウド化とサブスクリプションモデルへの移行の2つを挙げた。

まず、クラウド化については、同社は2012年5月から「Adobe Creative Cloud」を提供。続いて2015年4月に「Adobe Document Cloud」、そして2017年3月に「Adobe Experience Cloud」を発表し、クラウド化を進めてきた。

Bryan氏はクラウド化について、「すべての分野でクラウド化を進めてきたが、それが新たなイノベーションにつながり、それが、ビジネスモデルの成功につながった。Creative Cloud、Document Cloud、Experience Cloudの3つのクラウドによって、世界中に人に広範にサービスを提供でき、時価総額も10倍に拡大している」と語っている。

また、「Adobe Document Cloud」については、「われわれがデジタル変革していくにあたって必要なプロダクトだった」と説明。

続けて、「PDFとAcrobat、Adobe Signといったサービスを組み合わせることでドキュメントプロセスの変革のお手伝いができるようになった」と述べている。

一方のサブスクリプションモデルは、「Adobe Creative Cloud」の提供とともに導入。業界としては、比較的早期の導入であった。

サブスクリプションモデルに移行した背景についてBryan氏は、「それまでフラグシップのソフトウェア製品をリリースするのに、18カ月から24カ月かかっていた。当初はそれでよかったが、徐々に顧客のイノベーションに対応することが難しくなってきた。そこで、2010-2011年にかけ、Creative Cloudでサブスクリプションモデルに移行することを決定した。これによって、クラウド、デスクトップ、モバイルの各環境において、イノベーションを提供できるようになった。また、直接お客様とつながる環境ができ、顧客が何を望んでいるのかがわかるようになった。その結果、われわれはプラットフォーム側のテクノロジーに投資し、それがExperience Cloudにつながった」と説明した。

同氏は、製品のリリースサイクルを早めるためにサブスクリプションモデルを導入したと語ったが、これはどういうことなのか?

これについて同氏は、「プロダクトのライフサイクルを上げていくことを考えたとき、売上から組み込む機能を考えていた。そのため、一部機能を開発してもすぐにリリースすることなく、そのまま抱え込んで、次のマイルストーンが来るのを待つ必要があった。サブリクプションモデルに移行した現在は、毎月売り上げを管理できるので、すぐにリリ-スできる」と理由を述べている。

さらに、サブスクリプションモデルで初期導入コストを抑えたことで、新たなユーザーの確保に成功しているという。

「現在では、アドビサービスを使う人の半数がアドビを初めて使う人となっている」(Bryan氏)

また、同社のもう1つの主要プロダクトであるAIの「Adobe Sensei」の用途について同氏は、「すべてのクラウド製品でAIであるAdobe Senseiを利用している。これによって、できるだけ繰り返し行うタスクを自動化し、顧客にエクペリエンスの構築に注力してもらう」と述べている。

  • アドビの変革の歴史

国内では法人ビジネスを強化

当日は、国内のマーケティングチームも参加。アドビ システムズ マーケティング本部 デジタルメディアビジネスマーケティング 執行役員 北川和彦氏は、「アドビは2012年にサブスクリプションモデルに移行し、日本でもサブスクリプションモデルへの移行が着実に進んでいる。アドビは個人向けの製品を提供している印象があるが、日本でも法人ビジネスの拡大を考えている。そのため、今年の1月にエンタープライズ向けとSMB向けの営業を統合し、1つの営業部隊にした。今後は手をかけた営業ができる」と、今後、法人ビジネスを強化していく姿勢を示した。

  • アドビ システムズ マーケティング本部 デジタルメディアビジネスマーケティング 執行役員 北川和彦氏

アドビ システムズ マーケティング本部 デジタルメディアビジネスマーケティング エンタープライズ部門 部長 栃谷宗央氏

具体的な領域について、アドビ システムズ マーケティング本部 デジタルメディアビジネスマーケティング エンタープライズ部門 部長 栃谷宗央氏は、デジタルトランスフォーメーション、生産性の向上、新元号への移行の3つを挙げた。

そして、デジタルトランスフォーメーションでは、マーケティングオートメーションソリューションの提供による顧客体験の向上、生産性の向上では、Adobe Senseiによる繰り返し処理の削減、新元号への移行では、ドキュメントスキャン、ドキュメント検索、一括置換(平成→令和)により、3つのビジネス課題を解決できるとした。

  • ビジネス領域での顧客課題とアドビソリューション