キーサイト・テクノロジーは1月8日(米国時間)、「オシロスコープ」のほか、「プロトコル・アナライザ(オプション)」、「電圧計・周波数カウンタ」、「周波数解析(FFT)」、「20MHz波形発生器」、「周波数レスポンス解析」といった最大6つの機能を1台に統合した低価格6-in-1オシロスコープ「InfiniVision 1000Xシリーズ」に、新たに4ch品「DSOX1204A/G」を追加、発売を開始したことを発表した。

  • InfiniVision 1000Xシリーズ

    「InfiniVision 1000Xシリーズ」に新たに4ch品が追加された。画像は波形発生器付きのDSOX1204G

同製品は、独自のASIC「MegaZoom IV」を搭載することで、6つの機能の提供を可能としたほか、5万波形/秒の波形表示とフルメモリを同時に実現。また、従来の2ch品では100MHz帯域幅までしかオプション対応していなかったのに対し、新たに200MHz帯域幅もオプションとして用意された(標準は70MHz)ほか、外部インタフェースも従来のUSBのみから、LANポートも搭載。こうしたインタフェース周りの改良もあり、パネル構成は2ch品とは異なるものが採用され、スイッチでchを切り替えて操作するなど、機能が複雑化しつつも、使い勝手が悪くならないような変更が加えられたという(併せて筐体カラーも現在の同社のイメージカラーのブラック系へと変更された)。

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    InfiniVision 1000Xシリーズの2ch品との比較。筐体サイズは同じだが、パネルレイアウトなどが変更されており、チャネルはスイッチで切り替えて設定する、といった仕様になった

さらにGモデルは波形発生器が搭載されている(6 in 1のうち、20MHz波形発生器と周波数レスポンス解析はGモデルのみ)が、AモデルであってもMegaZoom IV来の波形発生機能により、17種類のトレーニング用の信号を出力することが可能で、別に任意波形発生器を用意しなくても、計測トレーニングを行なうことができるため、教育現場などで手軽に活用できると同社では説明している。

  • InfiniVision 1000Xシリーズ
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  • DSOX1204A/Gの基本仕様と6つの機能

帯域幅が200MHzへと引き上げられたことで、1つ上位のInfiniVision 2000Xシリーズと帯域幅的には被ることとなるが、同社では、「2000Xシリーズは、MSOとしてデジタル8chが用意されているほか、最大メモリ長が4M(標準)であったり、波形更新レートが20万wfm/sであったり、ロジックアナライザ機能を搭載するなど、より複雑なことをやりたい、というニーズにも対応できるオシロスコープ。1000XはR&Dや大学などで1人に1台使わせたい、というニーズに向けた、そうした機能がない比較的安価なオシロスコープ」と、位置づけが異なっているとしている。

  • InfiniVisionシリーズ各種の位置づけ
  • InfiniVisionシリーズ各種の位置づけ
  • InfiniVisionシリーズ各種の位置づけと、2000Xシリーズと1000Xシリーズの性能比較

そのため、価格も2000Xシリーズは200MHz帯域幅で4ch品が約40万円ほどだが、1000Xシリーズでは同等スペックの場合であっても、その半額の約20万円ほどで済むという(基準価格はDSOX1204Aが11万9851円(税別)、DSOX1204Gが14万3062円(同)となっている)。

  • InfiniVision 1000Xシリーズ

    InfiniVision 1000Xシリーズ各種の仕様比較

なお、同社は今回の発売を機に、発売記念イベントとして、実際に、DMM.make AKIBAに1000Xシリーズの4ch品を2台設置。訪れた人にそれを体験してもらい(非会員でもドロップインチケットで入場可能)、その感想をDMMの「モノづくりログ」やYouTubeに投稿してもらって、その内容がもっとも良かった、もしくはもっとも拡散してくれた人各1名ずつに最優秀賞として「DSOX1102G 2ch」が贈呈されるキャンペーンの実施を決定。実施期間は2019年1月中旬ころ~3月中旬ころまでで、記事を投稿してくれた人全員に何らかの参加賞もプレゼントされる予定だという。

また、これとは別に実際にこの4chオシロを使ったハンズオン(体験ワークショップ)の実施も決定。こちらは1台のオシロを数人で共有しながら、Raspberry Pi(ラズパイ)にMEMSセンサボードを接続し、データ収集を行なったり、ラズパイとセンサボード間のSPI通信をデバッグしたり、最適化したり、といったことを90分で体験するというもの。開催地はDMM.make AKIBAで、参加費は無料というところまでは決まっているが、それ以外の募集人数や開催日時などの詳細については1月中旬ころに決定される予定で、DMM.make AKIBAやRSコンポーネンツ、キーサイトのWebサイトなどで告知される予定だという。

  • InfiniVision 1000Xシリーズのターゲット市場

    InfiniVision 1000Xシリーズのターゲットとする市場