IDC Japanは1月8日、2018年第3四半期(7月~9月)の国内外付型エンタープライズストレージシステムの支出額(Value)実績を発表した。これによると、2018年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額は449億5600万円で前年同期比5.6%増となった。

  • 国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2016年第3四半期~2018年第3四半期

    国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2016年第3四半期~2018年第3四半期

2018年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見ると、メインフレーム向けが32億9700万円で前年同期比48.4%減、オープンシステム向けが416億5900万円で同15.1%増となった。

メインフレーム向けは2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している一方で、オープンシステム向けはハイエンドとミッドレンジのプラス成長が貢献したという。

外付型ストレージへの搭載メディアでは、引き続きHDDからフラッシュへの移行が進み、外付型の支出額のうち、オールフラッシュアレイ(AFA)は129億2100万円で前年同期比28.4%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は164億5300万円で同29.3%増となったが、オールHDDアレイは155億8300万円で同21.2%減となった。

この結果、2018年第3四半期の外付型支出額に占めるAFAの比率は28.7%(前年同期23.6%)に上昇したほか、外付型ストレージの売上額(Vendor Revenue)は426億9900万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(シェア20.4%)、デル(15.2%)、日立製作所(14.7%)、ネットアップ(10.2%)、NEC(7.6%)となった。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストである加藤 慎也氏は「オールフラッシュアレイは、ストレージベンダーの売上額でも四半期で100億円を超え、3割近いシェアを獲得した。AFAは成熟期に入りつつあり、プライマリーストレージの更改に際しては、AFAの採用が主流となる段階に達している。一方、ストレージベンダーがシェア拡大を狙うには技術以外の差別化が必要になるため、どのように自社のAFAをユーザーに利用してもらうか、エコシステムや提供方法などを見直すべきである」と分析している。