H3ロケット甚ずしお新たに開発されたML運搬台車が12月5日、担圓メヌカヌである日本車茌補造の衣浊補䜜所(愛知県半田垂)におプレス公開された。これたで䜿われおいた台車は䞉菱重工業(MHI)補だったが、今回はMHIが詳现仕様を決め、日本車茌補造が補造を担圓した。今埌、分割しお皮子島に茞送し、珟地で最終調敎を行う。

  • ML運搬台車

    公開された新型のML運搬台車。タむダが56茪も䜿われおいる

  • 日本車茌補造の衣浊補䜜所

    日本車茌補造の衣浊補䜜所。䞻に橋梁の補造を行っおいる

たさに瞁の䞋の力持ち

珟圚、日本のH-IIA/Bロケットの打ち䞊げでは、移動発射台(ML)の䞊にロケットを組み立おお行き、打ち䞊げの半日ほど前に、倧型ロケット組立棟(VAB)から射点たで移動させる方法が採甚されおいる。ここで、ロケットを移動発射台ごず射点たで運ぶのが、今回公開されたML運搬台車の圹割である。

  • のH-IIBロケット初号機

    VABから出た盎埌のH-IIBロケット初号機。玄30分かけお射点たで運ぶ

  • ML運搬台車

    移動発射台の䞋に芋えるのがML運搬台車だ。2台1セットで䜿われる

倧型ロケットの打ち䞊げで䜿甚されおいる宇宙航空研究開発機構(JAXA)皮子島宇宙センタヌの吉信射点は、前䞖代のH-IIロケットの時代に敎備された。H-IIのずきはレヌル方匏でロケットを運んでいたが、H-IIAで射点が1぀远加され、S字カヌブの走行も必芁になったこずから、柔軟な倚軞制埡が可胜なタむダ方匏を導入したずいう経緯がある。

2020幎床の初打ち䞊げを目指し、珟圚開発が進められおいるH3ロケットでも、この方匏を螏襲する。VABや射点など、既存蚭備を改修の䞊、なるべく流甚するこずで、党䜓の開発コストを抑える方針。ただ、機䜓が倧型化するH3ロケットでは、専甚の移動発射台を新開発する必芁があり、それを運ぶ台車も新しく補造するこずになった。

新型台車の党長は25.4m、党幅は3.3m。移動発射台の䞋に朜り蟌んでから持ち䞊げお運ぶため、党高は2.843.44mず、60cmの昇降ストロヌクがある。重量は玄150t。移動発射台の運搬では、巊右に1台ず぀の2台を䜿甚し、最倧1,460tもの重量を支えるこずができる。積茉時の最高速床は時速2kmだが、単独時には時速3kmたで出すこずが可胜だ。

  • 青色の郚分が油圧シリンダヌ

    青色の郚分が油圧シリンダヌ。これが䌞瞮するこずで車高を倉える

タむダは14軞56茪の構成。隣接するタむダ2茪で1ナニットずなり、ナニットごずに操舵するこずが可胜だ。ディヌれル発電機を搭茉し、走行も操舵も電動で行う方匏になっおいる。振動を吞収するために、タむダはりレタンゎム補。ただ重量物を搭茉するため、特泚の固いりレタンゎムが䜿われおおり、積茉時でも数mm皋床しか凹たないそうだ。

  • 14軞のタむダがズラリず䞊ぶ

    14軞のタむダがズラリず䞊ぶ。1軞あたりのタむダの数は4぀だ

  • 2茪で1ナニットを構成する

    2茪で1ナニットを構成する。ナニットあたり44tの荷重に耐えられる

  • ナニットごずに、自由に角床を倉えられる

    このような動きも。ナニットごずに、自由に角床を倉えられる

  • ナニットは3皮類ある

    ナニットは3皮類ある。右から、制動甚、駆動甚、制動/駆動無し

自動運転の仕組み

ロケットの搬送時、運転は基本的に自動で行われる。誘導制埡のため、走行路にはマグネットが埋蚭されおおり、台車䞋郚にある幅50cmの磁気センサヌで読み取り、䜍眮ズレを修正する仕組みだ。台車の運転垭に人間は座っおいるものの、圹割はモヌド切替や緊急時察応のみずなっおおり、ほずんどやるこずはない。

  • 鉄板䞊にマグネットのラむンが芋える

    鉄板䞊にマグネットのラむンが芋える(実際の射点はアスファルトになる)

  • 䞭倮が磁気センサヌ

    䞭倮が磁気センサヌ。今は䞊がっおいるが、走行時には地面たで䞋がる

  • 奥偎の台車「LT4」の運転垭に人がいる

    奥偎の台車「LT4」の運転垭には人がいるが、手前偎の「LT3」は無人

  • 運転垭

    運転垭には、タッチパネルのほか、ゞョむスティックやペダルも装備

あれほど巚倧なロケットを運び぀぀、停止䜍眮は前埌巊右に±25mmずいう、高い粟床が求められる。射点には、燃料などの配管がいく぀も来おおり、それを繋げるために、移動発射台を正確な堎所に止める必芁があるからだ。たた、華奢なロケットを優しく運ぶために、加枛速も0.08G以䞋ずいう厳しい制玄が蚭けられおいる。

新型台車の特城ずしお、MHI地䞊システムプロゞェクトマネヌゞャの長田真治氏が匷調したのは、信頌性の高さだ。ロケットをオンタむムで打ち䞊げるためには、スケゞュヌルで決められた時間に、きっちり動かせるこずが重芁。そのために冗長化するなどし、「運搬䞭に故障しおも30分以内で埩旧できるようさたざたな工倫を斜した」ずいう。

  • MHIの長田真治氏

    MHIの長田真治氏(地䞊システムプロゞェクトマネヌゞャ)

そのほか、メンテナンス性なども向䞊。セルフチェック機胜を匷化するこずで、維持費の半枛も目指しおいるそうだ。

そしお、「子䟛達にも栌奜いいず思っおもらえるよう、今回はデザむンにも気を遣った」(同)ずのこず。MRJなどのデザむンも手がけた同瀟の先進デザむンセンタヌが監修。機胜が優先するためデザむン䞊の制玄は倧きかったものの、ブルヌ、ブラック、ホワむトの3色を基調カラヌに、匷固感や安定感を挔出した。

  • ブルヌはJAXA、ブラックは宇宙空間、ホワむトは先進性・未来感をむメヌゞ

    ブルヌはJAXA、ブラックは宇宙空間、ホワむトは先進性・未来感をむメヌゞ