村田製作所は、高ESD耐圧特性を備えた車載電源向けパワーインダクタを開発し、順次サンプル出荷を開始すると発表した。同製品は、民生機器向け製品で培ったパワーインダクタ性能を維持しながら、ESD対策を中心とした車載仕様へ改良したもので、ADAS、車載インフォテインメント、パワートレイン、高速車載ネットワークなどの幅広い車載用途向けに高い性能・信頼性を実現する。
具体的には、スマートフォンなどの民生機器向けで実績を有する同社のパワーインダクタの代表的製品「DFECシリーズ」のうち、それぞれ252012サイズと201612サイズを車載品質に向上させた「DFE2HCAH、DFE2MCAHシリーズ」を製品化した。
車載用受動部品の規格であるAEC-Q200に準拠しており、DFE2HCAHシリーズは、従来のメタル製インダクタを上回り、ESDモデルのHBMにおいてESD耐圧1kVを保証。なお、DFE2MCAHシリーズは耐圧500Vとなっている。さらに小型、大インダクタンスでありながら高い絶縁特性・ESD耐性の実現したほか、車載用途で求められる-40℃~+150℃での温度特性を保証している。
DFE2HCAHシリーズはすでに10月よりサンプル出荷を開始しており、DFE2MCAMシリーズは2019年1月のサンプル出荷を予定している。