魁半導体は9月19日、大気圧プラズマ(誘電体バリア方式)技術を応用し、面状にプラズマ処理する卓上大気圧アッシャー「SS-50」を開発したと発表した。

大気圧プラズマ装置は、対象物にスリット状にプラズマ処理し、搬送することで面全体に均一な処理を施すことが一般的となっているが、同製品では、「誘電体バリア方式」を独自に進化させることで、大気圧プラズマで面内に均一に高い処理効果を実現することに成功したという。

面状に高いプラズマ処理効果が得られることで、スリット状の処理に比べて2倍以上の速度での処理が可能になったほか、空気(大気圧)のみで処理するため、ガス導入が不要で扱いやすく、真空プラズマと異なりポンプなどの周辺装置も不要となっている。

外形寸法は210mm×230mm×180mmで、重量は約3.0kg。ステージ寸法は70mm×70mmで、有効処理面積はφ50mmとなっている。

主にアッシング(有害物除去)の用途を想定して開発されており、光学部品の洗浄や、洗浄剤で残った残渣の除去などにも利用できる。また、最近では細胞培養の効果を高めるためにプラズマ処理を利用されることも多く、再生医療の現場で導入されることも期待される。

  • SS-50

    卓上大気圧アッシャー「SS-50」

主に研究用として10月1日より発売を開始する。販売価格は108万円(税別)で、初年度の目標販売台数は10台。今回は研究開発用途の大気圧で面状に高いプラズマ処理が可能な技術を確立したが、今後は製造工程での使用に向けた製品開発を進めるとしている。