市場調査企業である英IHS Markitが、2018年第2四半期(4~6月期)の半導体企業ランキング・トップ10を発表した。

それによると、同四半期の半導体市場は、前四半期比4.4%増、前年同期比19.4%増の1208億ドルとなり、四半期ベースの売上高としては史上最高値を更新した。IHSによると、すべてのアプリケーション分野および地域で売り上げが伸びたという。

IHS MarkitのシニアアナリストのRon Ellwanger氏は「エンタープライズ向けの売上増とストレージ容量の増加により、データ処理、有線通信、マイクロコンポーネント(MPU/MCU)およびメモリの売上高の増加が顕著であった」と述べている。

NANDは価格が下落してもSSDの普及で収益は増加

同四半期の半導体メモリ市場は同6.5%増の420億ドルとなり、9四半期連続での売上増を達成。全半導体売上高の35%を占める規模へと拡大している。DRAMの価格は高止まりが続いている一方で、NANDは、供給過剰で価格の下落が続いており、それがSSDの需要を喚起することとなり、ビット出荷量を増やし、結果としては収益を押し上げる要因となっているとIHS Markitは説明している。

成長率が高いメモリメーカーはSK Hynixだけに

同四半期におけるSamsungの半導体市場シェアは15.9%で、2位のIntel(同13.9%)を引き離してトップの座を維持した。また、3位となったのはSK Hynixで、前年同期比61.3%増、前四半期比16.4%増とトップ10社の中でもとびぬけた成長率を示して3位を不動のものにした。

SK Hynixは、SamsungがDRAMの増産延期をしているすきに、大増産してSamsungとの差をつめようとしている。一方、Samsung、Micron Technologyの同四半期の前四半期成長率は、ともに3.4%増と、業界全体の伸びより低くなっている。東芝メモリも同様で、同0.5%増となっており、2年以上続いたメモリバブルが収束に向かっていることを窺わせる。

同四半期の売上高が業界全体の伸び(4.4%)よりも大きく成長したのは、SK Hynixのほか、Intel、Texas Instruments、NVIDIAの4社だった。特に、GPU専業のNVIDIAは前年同期比44%増とメモリメーカー以外では最高の成長率を示した。一方で、本社をシンガポールから米国に移動する作業に追われたBroadcomだけがトップ10社中唯一のマイナス成長となった。

  • 2018年第2四半期における半導体企業の売上高ランキング・トップ10

    2018年第2四半期における半導体企業の売上高ランキング・トップ10(前回まで東芝として集計していたが、今回から東芝メモリとして集計。その売り上げも、NANDのみのものを集計したものとなっている) (出所:IHS Markit)