東芝と東芝デジタルソリューションズは8月2日、日本テレビ放送網との共同研究でロードレース中継における画像認識技術を用いた番組制作支援技術となる画像解析AIを開発したと発表した。
今回、開発した画像解析AIは選手の上半身と顔を同時検出し、その両方を利用して追従するハイブリッド方式を採用。
これにより、走行中顔が見えないシーンが多いロードレース中継においても、高精度で選手を追従可能になるほか、検出・追従した各選手のユニフォーム・ゼッケンなどの特徴をもとにチーム名を認識する際に、暗い画像やぼやけた画像なども事前に学習させることにより、人が見て認識が困難な映像でもチーム名を高精度に特定することを可能としている。
また、選手と観客を区別して抽出するロードレース向けの観客矩形フィルタリング技術を開発したことで、認識精度の向上とともに処理時間の削減を可能としている。
さらに、1秒ごとの動画単位で画像を認識し、処理結果を記録する処理フローにより、リアルタイムに画像認識でき、新技術を用いたロードレース中継での実証実験において、所属チーム名の自動識別をリアルタイムかつ98.1%の高い精度で実現したという。
新技術を用いることで、映像から特定のチームや選手を自動で抽出したり、追い越しシーンなどのレース中の見どころを自動で抽出するといった映像の解析や編集作業の自動化を実現し、これまで複数台のカメラそれぞれに映る選手を手作業ですべて記録するなど長時間人手で情報を集め、記録作業をしていたロードレース番組制作の人的負荷を軽減することを可能としている。
東芝グループでは、今後も画像解析AIの研究開発を進め、防犯カメラなどの高度な画像解析が必要とされるセキュリティ分野に応用していく方針だ。