帝国繊維ならびに日本ユニフォームセンター(NUC)は、7月18日~20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている猛暑対策に関連するビジネスの活性化を目的とした専門展示会「猛暑対策展」において、暑熱環境下での熱中症対策として活用可能な「冷却下着ベスト型」の紹介を行なっている。

同下着は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とのコラボレーションにより生まれたJAXA COSMODEブランドの商品。JAXAが研究を進めてきた、先端素材・縫製・被服設計・精密加工などの国産技術を集約した「次世代最先端宇宙服の研究」の成果をベースに生み出されたもので、氷で冷却された水をベスト内に張り巡らせたチューブに循環させて身体を冷却するという仕組みとなっている。

2014年に発売されたモデルは1リットルの冷却タンクに氷と水を入れ、ポンプユニットでベスト内に張り巡らされたチューブにそれを循環させることで、30分~1時間程度、上半身をくまなく冷却。屋内外の暑い場所での作業や、医療現場における身体の冷却などに活用できるというものとなっているが、現在は、タンク型のほかに、専用保冷材の間に水を挟んで冷却することで、より長時間の冷却を可能としたリュック方や、さらに長い時間の作業向けに小型の冷凍式氷温水チラーと組み合わせたチラー型も用意されている。

  • 「冷却下着ベスト型」

    「冷却下着ベスト型」。左がリュック型、右がタンク型

なお、医療分野では、冷却したいのが上半身とは限らないことから、頭部や腕、足といった各部位ごとに冷却できるパーツも開発が進められており、同ブースで実際に各パーツごとの様子を見ることも可能となっている。

  • 冷却下着の各パーツ版

    各パーツごとに分かれた冷却下着。それぞれのパーツごとに冷却ユニットへの接続パイプが設けられており、用途に応じて頭部のみ、腕部のみ、といった使い分けができるようになっている