アナログ・デバイセズ(ADI)は、機能性を向上した車載オーディオ・バス(A2B)トランシーバー3品種「AD2426W/AD2427W/AD2428W」を発表した。AD242xデバイスは量産体制に入っており、32ピンLFCSP(5mm×5mm)パッケージで供給されている。

車載オーディオ・バストランシーバー「AD2426W/AD2427W/AD2428W」

車載オーディオ・バストランシーバー「AD2426W/AD2427W/AD2428W」

AD242x製品シリーズは、最も厳しいEMC(電磁環境適合性)環境下においてもシステムレベルのEMC性能の適合を実現するA2Bトランシーバー。AD242xシリーズではトランスミッタの送信電力レベルの調整ができるため、さまざまな車両メーカーのEMC試験仕様に準拠することを可能とし、車載インフォテインメント・システムに豊富な機能を実装する設計基準を満たす。

また、これらのトランシーバーは、1対のアンシールド・ツイストペア線を介して、音声データと制御データに加えてクロックの伝送と給電を可能とし、マイクロフォン接続のケーブル配線を大幅に簡素化することでアプリケーションの拡張を可能としている。これらの機能により、システム・コストの大幅削減、振動音キャンセル、車内の乗員間の対話、自動運転など、最先端のマルチマイク・アプリケーションを実現するという。

さらに、今回発表された3品種は既存の製品シリーズとの完全なピン互換であり、既存シリーズをベースにしたシステムアップグレードの開発期間も短縮できるという。A2B基本機能の拡張により、システムレベルの柔軟性も向上しており、AD242xでは、最大4つのPDMマイクロフォンからローカルI2Sポートにデータを転送し、ビーム・フォーミングやその他のローカル・データ処理に対応できる。4つのPDMマイク入力と、I2Sオーディオ・ストリームを同時に受信することもできるため、新しいマイク接続のアプリケーションへの対応が可能になった。

そのほか、今回発表された3品種は、関連する全てのオートモーティブEMC、EMI、ESD要件とともに、AEC-Q100規格全てに完全準拠し、拡張自動車用温度範囲(-40℃から+105℃)で動作する。これらの新しいデバイスと、既にリリースされているA2Bシリーズの全製品は、アナログ・デバイセズのSigmaStudioグラフィカル開発環境だけでなく、サード・パーティの開発、試作、および評価ソリューションの大規模なエコシステムまでサポートするという。なお、価格等の詳細は、アナログ・デバイセズ担当者まで要問い合わせということだ。