LoRaWAN対応の環境センサーで農作物の栽培環境の管理に成功

西菱電機は、LoRaWAN対応の環境センサーを活用した栽培環境の「見える化」に関する実証実験を、 2017年10月〜2018年3月の期間で実施したことを発表した。

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この実証実験は、同社が兵庫県伊丹市内の若手農家で構成される伊丹市農業青年研究会と、伊丹市農業青年研究会が伊丹市から委託を受けた「農業情報技術(IoT)活用モデル事業委託業務」に基づいたもの。

実験に参加した農家では、春から夏にかけてビニールハウスでの完熟トマト栽培を行っている。その栽培環境の管理は、生産者自身の感覚や知識、経験に基づいて作業しており、生産性の向上やノウハウの蓄積に関して課題があった。

LoRaWAN対応環境センサー

今回の実験では、冬場に栽培している葉物野菜を対象に、西菱電機が商用化を進めている「Seiryo Business Platform」のIoTサービスを用いた"見える化"を通じ、定量的なデータに基づく栽培環境の管理を実現した。

具体的には、参加した5人の農家が管理するビニールハウスに、LoRaWAN対応の環境センサーを設置し、各センサーが収集した温度、湿度、気圧、照度、二酸化炭素濃度、土壌温度、土壌水分の7種類のデータをクラウドに集約することで、場所を問わずリアルタイムな栽培環境の監視および履歴情報のデータ化ができるようなった。

これにより、温度をもとにした換気の実施や、土壌水分の推移をもとにした水やり回数の削減等の成果がみられた。なお、委託業務の期間終了後も、西菱電機と伊丹市農業青年研究会で協力し、トマトを対象とした検証を進めているということだ。