GMOインターネットグループは6月5日、既報の通り6月6日より販売を開始する自社開発の7nmプロセス採用マイニングASIC「GMO 72b」を搭載した仮想通過マイニングコンピュータ(マイニングマシン)「GMO miner B2」の概要を公開した。

  • GMO miner B2

    GMO miner B2のシステムとモジュール。モジュール1枚あたりGMO 72bが18チップ搭載されている。ちなみに、B2の由来は、先行開発型に続き2代目のため、だという

GMO 72bは、国内で設計開発を行ったSHA256の暗号通信に対応したASICで、発表当初はパートナー企業と協力して開発といった表現を用いていたが、その後のさまざまな取り組みの結果、現在は自社設計という形に落ち着いたという。ただし、実際の製造は、そもそも7nmプロセスを扱えるファウンドリが国内にないため、海外となる。

それ以外のチップ性能としても、最初の発表の段階と基本的に変更はない。これを1モジュールあたり18チップ搭載。そのモジュールを3枚搭載(合計54チップ)したのがGMO miner B2として提供され、1台当たり24TeraHash/s(TH/s)の演算性能を提供する。

  • GMO 72b
  • GMO 72b
  • GMO 72b
  • GMO 72b
  • GMO 72b
  • GMO 72b
  • GMO 72bを搭載したGMO miner B2の演算ボード。XilinxのFPGA「Spartan-6」も搭載されているのが見えるが、おそらくは各種インタフェース用に用いられていると思われる

また、GMO miner B2は、32台までデイジーチェーンで接続することが可能であり、これにより、1つのシステムとしての運用台数を増やすことができ、結果としてネットワークコストは、競合比で1/55まで低減することができるとする。「GMO miner B2の1TH/s当たりの消費電力は競合製品比で最大20%減、ネットワークコストも1/55となっており、世界でもっとも低消費電力なマイニングマシン」と、同社代表取締役会長兼社長・グループ代表の熊谷正寿氏は、GMO minerB2についての評価を語る。

このほか、GMO miner B2は、電源ユニットも発売初期には、少なくとも本体とセットで提供されるという。電源としては100~240Vまで対応するが、100Vだとハッシュパワーが低下するとのことで、200Vでの運用を推奨すると同社では説明している。

ほか、搭載ソフトについてはオンラインアップデートに対応するほか、稼働状況などについてはAPIが提供されるため、オンラインでの監視も可能となる。

なお、GMO miner B2は6月6日より発売されるが、発売当初の5か月は、出荷数に対し、注文が上回った場合は抽選での対応となる。ただし、6月分については、6日に同社が東京にて開催する説明会(最大4回開催予定)に参加した人は、抽選での優遇措置が与えられるとするほか、今後も、全世界7~8都市で説明会を開催する予定としており、そうした説明会に参加してくれた人には、優遇措置を講じていくとする。

また、価格も、毎月の状況により変動するとのことで、6月の価格は1999ドルとしている(ドルのほか、BitconおよびBitcoin Cashでの決済に対応)。このため、注文の手順としては、毎月10日の12時(日本時間)を当該月の受注締め切りの期限とし、同日の18時に抽選結果を発表。同月15日15時(土日祝日の場合は翌営業日)までに支払いを行うことで、手順が完了する流れとなる。6月分の注文は10日が日曜日のため、翌11日の12時(日本時間)が期限となり、同日の18時に抽選結果が発表となり、実際に製品が出荷されるのは2018年10月末となる見通しだという。