順天堂大学は25日、 Appleが公開するアプリケーション専用フレームワーク「ResearchKit」を使用したロコモティブシンドローム(運動器症候群、略称:ロコモ)研究用のiOSアプリ「ロコモニター」(2016年2月公開)のバージョンアップ版である「ロコモニタープラス」を公開したことを発表した。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、運動器の障害により移動機能が低下した状態のこと。2016年2月に公開されたアプリ「ロコモニター」は、スマートフォンを用いることで、ロコモへの関心が低く研究の対象となっていなかった若い世代への認知を広げ、多数のユーザーを取り込むことに成功したとのこと。
このたび公開された「ロコモニター」のバージョンアップ版となる「ロコモニタープラス」では、Appleの医学研究プラットフォーム「ResearchKit」とヘルスケアプラットフォーム「CareKit」をひとつのアプリに搭載することで、疫学研究によるロコモの実態解明と継続的なケアによるロコモの予防改善を同時に進めることが可能となっている。
また、同性同世代のユーザーと比較して、自身のロコモ度がどれくらいの順位に位置しているかがわかるため、健康増進へのモチベーションを高めることができる。
加えて、人工知能(AI)の機械学習により、 スマートフォンのセンサーの精度不足を補い、従来は検者を必要とした3つのロコモ度テストをいつでも・どこでも・ひとりで・手軽に実施できるようになったという。このほか、ロコモ度テスト等の結果を即座に解析し、ユーザーごとに運動や食事メニューなど最適化された生活改善アドバイスを表示するアルゴリズムを独自に開発。さらに、企業・自治体・介護施設等で、大人数の運動機能を把握・管理するためのWebサービスもリリースした。
なお、「ロコモニタープラス」はApp Storeから無料でダウンロードできる。