米The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)は、オウンドメディア「Times Open」で自社の取り組みなどを紹介しているが、このほど同社システム構築に携わるエンジニアSophia Ciocca氏が投稿した記事「Building a Text Editor for a Digital-First Newsroom」では、ニューヨーク・タイムズのWeb誌面を支えるために開発した自社カスタマイズエディターの紹介をしている。
同氏が所属するチームのタスクはカスタマイズされたエディタをニュースルームに提供することだった。従来テキストや画像、ソーシャル、タイトル編集とパーツごとに分かれたソフトやアプリで記事が作成されていた。しかし、編集サイドの断片化されたワークフローや余分なタグの消去などの手間が課題となっていた。
"ニュースルーム"の進化のために新たなストーリーエディターの構築を構想した同チームは、レポーターやエディターが正確に同一のストーリーを把握できるように異なるコンポーネントの集約を目指し、オープンソースのProseMirrorを用いてチームエディター"Oak"を作っていく。
すべてがNodeで構築されるProseMirrorは、トラディショナルなDOM構造をフラットなインラインエレメントで構築する構造を持ち、Strongタグやemタグなどの強調文字を個別に区別できる点を例として挙げている。Oakではパラグラフノード、ヘッドラインノード、イメージノードなどに"node spec"と呼ばれるカスタムクラスやオープンソースのフレームワークRedux用いて独自のスキームを構築、詳細な履歴機能を実装した校正、校閲のためのバージョン管理やコメント設定、ニーズに応じて挿入される写真に変化を加える"full-bleed header"などのカスタム例を紹介している。