NXP Semiconductors(以下、NXP)は2日、アリババグループが開発したIoTソリューション向けオペレーティング・システムを提供するAliOSと、中国でのスマート・カーの開発をさらに加速させるための提携を発表した。

今回のパートナーシップは、2020年までに中国の多くの自動車にAliOSシステムと、NXPの車載インフォテインメント・ソリューションを搭載することを目指すもの。これにより、マルチスクリーン・ディスプレイや人工知能駆動型インタラクション、セキュアなOver-the-Air(OTA)アップデートにより性能を強化する、次世代スマート・コックピットの構築を可能にするという。

AliOSとNXPのi.MXアプリケーション・プロセッサを組み合わせる新しいパートナーシップは、あらゆるIoTデバイスのさらなるインテリジェント化に向けて、IoTとクラウドを接続する統合型エコシステムにより構築されるワンストップIoTソリューションの実現に向けた、AliOSのビジョンの第一歩だという。AliOSはクルマ、スマート家電、携帯電話、タブレット、他のデジタル・ガジェットへの搭載が可能で、このパートナーシップにより、次世代車載eコックピット、未来の車載放送システムなどに向けたソフトウェア/ハードウェア設計の最適化の可能性を拓くとしている。

アリババグループのシニア・バイス・プレジデント兼AliOSのプレジデントのSimon Hu氏は、次のようにコメントしている。「過去3年間にわたり、AliOSはクルマのデジタル化のけん引と有力自動車メーカーによる全般的な車内ユーザー・エクスペリエンスの向上のサポートで、パイオニアとしての役割を果たしてきました。今後、私たちはクルマのインテリジェンス機能をさらに向上し、都市におけるデジタル化された道路インフラとの接続を改善していくために努力していきます。車載半導体分野のグローバル・リーダーであるNXPとの協力により、私たちはより革新的な技術の開発に拍車をかける堅牢なプラットフォームを創出し、スマート・カーの量産に関連したさまざまなコストを低減したいと考えています。私たちはNXPなどのエコシステム・パートナーと協力し、自動車部門の未来を再定義することを楽しみにしています」。

一方、NXPの上級副社長兼オートモーティブ部門ゼネラル・マネージャーのKurt Sievers氏は、以下のように語っている。「AlibabaとNXPが共有している新たなビジョンは、車内ユーザー・エクスペリエンスとカスタマー・サービスは、自動車メーカーのさらなる前進を可能にする重要な差別化要因となるということです。Alibabaは車載オペレーティング・システムの開発、技術革新、アプリケーションにおいて優れた推進力を持っています。私たちのi.MXアプリケーション・プロセッサは人工知能、クラウド・コンピューティング、IoT、eコマースなどの新アプリケーションに必要なプロセッシング能力を提供します。私たちは今回のパートナーシップが自動車業界に大きなビジネス機会をもたらすと信じています」。