NXPセミコンダクターズは、ノイズの多い音声通信の問題を大幅に軽減し、自動車メーカーがお客様への快適なハンズフリー通話の提供を可能にする新しいエコー・キャンセレーション・ノイズ低減(ECNR)ソリューションを発表した。
エコーとノイズは、路上での通信を困難にする可能性がある。エコーは車内の通話者が着信通話から音声信号を伝送する際に発生し、車内で反響してマイクに戻る。そのため、発信者は自身の声を聞くことになり、注意が散漫になるとともに通信が中断する。さらに、ファン、排気、タイヤ、窓、同乗者からノイズが侵入して通話を理解不能にし、最終的にドライブ体験を損ない、フラストレーションの原因となる。
NXPがこのほど発表した新ECNRソリューションは、エコーと同時に運転席からの望ましくないノイズを除去することでこうした問題を解消し、会話の音声品質を向上する。ECNRソリューションはNXのチップセットにポーティング可能で、ITU-T P1110とCarPlayの事前認証済みであることから、自動車メーカーの研究開発費削減と設計サイクルの短縮を可能にする。
同ソリューションはコスト効率が高く、NXPのi.MXプロセッサへの容易なポーティングが可能なECNRソフトウェアと、NXPのカー・ラジオ・チューナー/DSPを組み合わせている。
なお、NXPのオーディオ・ソリューション担当マーケティング・ダイレクターのAlexandre Henon氏は、次のようにコメントしている。「NXPのECNRソフトウェアは世界で10億台強の携帯電話に採用されてきた実績を持っており、私たちは市場で実証済みのこの優れた技術を車載分野のお客様にも提供したいと考えています。私たちはECNRを車載要件に適合させるとともに、実装が容易で性能が高く、ECNR機能の希望の場所への配置を可能にするフレキシブルなアーキテクチャのソリューションをお客様に提供するため、NXPの2つのチップセット・ファミリにこのソフトウェアをポーティングしました。」