日本の文化をつくるための挑戦を開始
--最近、「竹あかり」で新たな挑戦を始めたという話を伺いました。具体的にどのようなことでしょうか?
「竹あかりの大衆化」、および「誰もが竹あかりをつくれるような環境をつくること」を目的として、全国各地(全12か所)を巡る「全国キャラバン」を実施するために、クラウドファンディングを開始しました。また、各地で竹あかりのワークショップを開催し、さらに、竹あかりの作り方をまとめた本をつくり、全国で配布することで、今まで以上に「竹あかり」という文化を広めていきたいと思っています。
実はこれ、正直、非常に手のかかるやり方でやっているんです(笑)。12か所のそれぞれの場所で、代表をしてくれる人を募り、必要な費用を集める、という形をとっています。もし、「全国で竹あかりをすること」が目的であれば、1つのプロジェクトとして一気にお金を集めたほうが効率は良いのですが、大切なのは、各プロジェクトで「主人公意識」をもつ人が多く生まれることだと思い、このような形をとりました。
「主人公意識」を生み、イベントを「祭り化」する
--主人公意識、つまり、主体的に動く人を多く生み出したいということでしょうか?
我々が目指すのは、1人の100歩ではなく、100人の1歩。全員が主人公となり、主催者となり、ただのイベントではなく、「祭り」をつくりたいと思っています。そして、100人の1歩を動かすための、覚悟をもったチームが、私たちだと確信しています。
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「いざ!!竹あかりを100年後の日本の文化に 歴史をつくる立役者求む!」と題し、全12個のプロジェクトが、2018年3月16日よりクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて開始された。(募集期間は4月15日まで)
非常に手のかかる方法ではありますが、100年後に、この「竹あかり」という文化を残すためには、ただのイベントとしてではなく、「祭り」として開催する必要があると思い、そのためには今回の手段が有効だと考えました。誰かが1人でつくったものに集まるのではなく、多くの人の手が介入してつくられるものだからこそ、よいものができるという想いがそこにはあります。
この挑戦が、果たしてどのような効果を生むか、どれだけのインパクトを残せるのかはわかりません。そう考えると、今回の挑戦は「社会実験」でもありますね。
--大規模な社会実験…。「多くの人を巻き込む」ためとはいえ思い切った挑戦ですね。
このプロジェクトが開始した瞬間は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」のページ一面を「竹あかり」でジャックしました。見てくれている人にとって、大きなインパクトを与えられたのではないかと思っています。
--最後に、読者に一言お願いいたします!
多くの人が楽しむための舞台を、みんなで作り上げています。すでに動き出しているプロジェクトではありますが、まだまだ多くの人に協力してもらいたいと思っています。そうした多くの支えてくれる人たちと協力し、「100年後に残る祭り」を作り上げたいと思っています。どうせ祭りに参加するなら「踊らにゃ損々」、ということでみなさんと作り上げた、最高の舞台で一緒に楽しく踊れたらな、と考えています。
--ありがとうございました。
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「竹あかり」は、その土地にしかない「風景」、そして「物語」を色濃く表すものだ。全国でつくられる、新たなあかりはどのようなものなのになるのだろうか。写真は「フィリピン慰霊祭」(2014年)時のもの (C)CHIKAKEN
竹あかり、という言葉になじみが浅い方も多くいると思うが、今回紹介した全国キャラバンは、全国各地(北海道、山形県、福島県、岐阜県、東京都、千葉県、三重県、兵庫県の赤穂市と神戸市、岡山県、佐賀県、長崎県)で実施予定となっている。キャラバンの詳細は、彼らのFacebookにて確認することができる。竹あかりに興味が湧いた方は、「歴史をつくる立役者」として、ともに舞台に立ってみてはいかがだろうか。